📝 この記事のポイント
- まだ夢の中にいる私を、けたたましいLINEの通知音が現実に引き戻した。
- 「おはよう」「🌸」「☀️」「😊」「今日も」「がんばって」「ね」「👍」 お決まりの8連続メッセージ。
- しかも、一文字ずつ送られてくるから通知が止まらない。
2025年9月20日、土曜日の朝7時。まだ夢の中にいる私を、けたたましいLINEの通知音が現実に引き戻した。スマホを手に取ると、画面には祖母の名前。通知の内容を見て、思わず苦笑いが漏れた。
「おはよう」
「🌸」
「☀️」
「😊」
「今日も」
「がんばって」
「ね」
「👍」
お決まりの8連続メッセージ。しかも、一文字ずつ送られてくるから通知が止まらない。なんで祖母世代って、文章を分割して送るんだろう?正直、ちょっとうんざりしつつも、返信ボタンをタップする。「おはよう、元気?」と送れば、即座に「元気」「🎵」「昨日」「お友達と」「カラオケ」「行った」「の」「😄」と返ってくる。もはや爆撃だ。でも、この爆撃が、実は私にとって大切な意味を持つようになったのは、ここ最近のことだった。祖母がLINEを始めたのは去年の春。あの頃は文字入力に30分かかっていたのが、今やスタンプの達人だ。この劇的な変化の裏には、どんな秘密が隠されているんだろう?
最初の印象
祖母がらくらくスマホを買って「孫と連絡取りたいから」とLINEを始めたと聞いた時は、正直「大丈夫かな?」と思ったのが正直なところだ。最初のうちは、文字を打つのが本当に大変そうで、「あ」を打つつもりが「さ」になり、消そうとして全部消してしまい、最初からやり直し、なんて日常茶飯事。その光景を見ていると、申し訳ないけれど、ちょっと気の毒になるレベルだった。
それが、いつの間にか「スタンプ」の存在を知り、みるみるうちに使いこなすようになった。最初は無料スタンプだけだったのが、そのうち「おじいちゃん&おばあちゃん専用スタンプ」「動く!敬語スタンプ」「でかい文字スタンプ」といった有料スタンプを何種類も購入していることを知った時は、驚きを通り越して「プロかよ」とツッコミたくなった。毎朝、季節に合わせたスタンプが飛んでくる。今朝は「秋の味覚」シリーズだった。栗、さんま、ぶどう、きのこ。全部送ってくるんだから、もう笑うしかない。最初は「またか…」と通知を切ろうかと思ったこともあったけれど、いつからだろう。この「爆撃」を、祖母なりのコミュニケーション術として捉えるようになったのは。
実際に使ってみて
いや、「使ってみて」というよりは、祖母のLINEコミュニケーションに「付き合ってみて」といった方が正確かもしれない。祖母のLINEは、まるで彼女自身の人柄を映し出す鏡のようだ。なぜ一文字ずつ送るのか?その理由は、おそらく彼女自身も「なんとなく」と答えるだろう。でも、私はこの「なんとなく」の中に、祖母なりの気遣いや、デジタルコミュニケーションへの慣れがあると感じるようになった。
一文字ずつ送ることで、一つ一つの言葉が持つ意味を大切にしているのかもしれない。あるいは、昔ながらの手紙のように、ゆっくりとメッセージを紡いでいる感覚なのかもしれない。そして、スタンプの選び方。季節の挨拶、感謝の気持ち、元気の報告。どれもこれも、その時の感情にぴったりのスタンプを素早く選んで送ってくる。それは、もはや「孫と連絡を取りたい」という素朴な動機を超えて、LINEというツールを最大限に活用し、自身の感情を豊かに表現している証拠だと、私は確信している。彼女にとって、LINEは単なる連絡手段ではなく、世界と繋がり、感情を分かち合うための大切な表現ツールなのだ。
良かったところ
祖母のLINE爆撃は、一見すると煩わしいけれど、こんな良いこともあった。
- 祖母の元気さを毎日確認できる: 毎朝7時に必ずLINEが届く。これは祖母が元気で、日常を過ごしている証拠だ。通知音を聞くたびに、ホッと胸をなでおろすようになった。
- コミュニケーションのきっかけが増えた: 頻繁にメッセージが来ることで、私からも返信しやすくなった。普段なら電話することもないような些細な出来事も、LINEを通じて気軽に報告し合えるようになったのは嬉しい変化だ。
- 世代間の壁が小さくなったと感じる: らくらくスマホとLINEのおかげで、祖母は私たち孫世代が普段使っているデジタルツールを使いこなしている。それが、不思議と世代間のギャップを小さく感じさせてくれる。
気になったところ
もちろん、完璧なコミュニケーションというわけじゃない。
- 通知の頻度がすごい: 冒頭で話したように、一文字ずつ送られてくるから、スマホがずっと鳴りっぱなしになる。これは正直、集中している時に来ると、ちょっと気が散る原因になる。
- メッセージの意図が伝わりにくい時がある: スタンプは感情表現に豊かだけど、時々、そのスタンプがどういう意図で送られてきたのか、悩むことがある。特に複雑な内容を伝えたい時は、もう少し文章で送ってほしいな、と思う時も正直ある。
どんな人に向いてる?
この祖母のLINE活用術(と、私の受け止め方)は、きっとこんな人に向いていると思う。
- 遠方に住む家族、特に高齢の親や祖父母とのコミュニケーションに悩んでいる人。
- デジタルツールの導入を検討している高齢者とその家族。
- SNS疲れを感じつつも、家族との温かい繋がりは大切にしたいと思っている人。
- 「うざい」と感じつつも、その裏にある家族の愛情をどこかで感じ取っている人。
祖母のLINEは、単なるメッセージのやり取りを超えて、お互いの存在を感じ合うツールとして機能しているから、ぜひ参考にしてみてほしい。
使い続けて○週間の今
「祖母のLINE爆撃」を受け続けて数ヶ月、私の心境は大きく変化した。正直、最初は「少しうざい」と感じていたけれど、今ではこの「うざい」が、どれだけ贅沢な悩みか、痛いほどわかるようになった。友人の中には、祖父母が既に他界している人もいる。LINEどころか、声も聞けない。それを思えば、毎朝のスタンプ爆撃くらい、何でもない。むしろ、ありがたいとさえ思う。
「今度帰るね」と返信すると、「やったー」のおじいちゃんが踊るスタンプ、「待ってる」のおばあちゃんが手を振るスタンプ、「love」のハートが回転するスタンプが瞬時に飛んでくる。相変わらずの爆撃だけれど、もう通知を切ろうとは思わない。あと何年、この爆撃を受けられるか分からないから。
敬老の日。感謝を伝える日らしいけれど、正直、何に感謝すればいいのか、これまではピンとこなかった。でも、今は違う。毎朝7時に起きて、せっせとLINEを送ってくる祖母の元気さには、素直に感謝している。月曜日、ケーキでも買って実家に帰ろうと思う。そして、祖母に聞いてみよう。「なんで一文字ずつ送るの?」って。きっと「なんとなく」と言うだろう。それでいい。理由なんて、どうでもいいんだ。
まとめると、祖母のLINEスタンプ爆撃は、最初こそ戸惑ったけれど、今では私にとってかけがえのない、温かいコミュニケーションの一部になっている。デジタルツールが、こんなにも人間らしい温かさを運んでくれるなんて、想像もしていなかった。
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