📝 この記事のポイント
- 散歩中、知らない犬に懐かれて飼い主より先に仲良くなった。
- 柴犬ミックスのモコちゃんは、どうやら人懐っこいらしく、私の足元にチョンと座り込んで、上目遣いで「撫でて! 」と訴えてくる。
- 飼い主さんが「すみませんねぇ、うちの子、人見知りのくせにこういう時だけ馴れ馴れしいんですよ」と笑いながら言うもんだから、思わず「あら、私、犬にまでモテ期到来かしら」なんて、冗談を返してしまった。
散歩中、知らない犬に懐かれて飼い主より先に仲良くなった。
柴犬ミックスのモコちゃんは、どうやら人懐っこいらしく、私の足元にチョンと座り込んで、上目遣いで「撫でて!
」と訴えてくる。
飼い主さんが「すみませんねぇ、うちの子、人見知りのくせにこういう時だけ馴れ馴れしいんですよ」と笑いながら言うもんだから、思わず「あら、私、犬にまでモテ期到来かしら」なんて、冗談を返してしまった。
モコちゃんが私の指をペロペロ舐める音が、なんだか今日はやけにクリアに聞こえる。
いや、別にモコちゃんがいつもより熱烈だったとか、そういう話じゃない。
私が最近、耳の奥でずっと気になっている、ある「音」の問題と関係があるんだ、きっと。
ここ最近、実家の母の耳が遠くなってきたというか、話が聞こえにくくなっているみたいで、テレビの音量がとんでもないことになっている。
もう、隣の家から苦情が来てもおかしくないレベル。
いや、もしかしたらもう来てるのかもしれないけど、母が聞こえてないから私も知らないだけかも、なんて考え出すと、ちょっとゾッとする。
先日なんか、ワイドショーの「芸能人の熱愛スクープ!
」って声が、我が家のリビングからマンション中に響き渡ってるんじゃないかってくらいの大音量でさ。
私はその横で、介護保険の書類に目を通しながら、正直、思考停止寸前だった。
母に「ちょっと、ボリューム下げてよ」と言っても、「え?
なんて?
」と返ってきて、さらにボリュームを上げる始末。
もうこれは、イヤホンで耳栓するしかないな、と観念したわけだ。
で、私が取り出したのが、いつも使ってる有線のイヤホン。
別に最新のワイヤレスとかじゃない。
昔、音楽プレイヤーを買った時にオマケで付いてきたような、ごくごく普通の、耳に挿すタイプだ。
これを耳に突っ込んで、なんとなく音楽を流してみる。
別に聴き込みたい曲があるわけじゃない。
ただ、母のテレビの音を遮断したい一心で、適当なプレイリストをシャッフル再生する。
そうするとね、不思議なもんで、テレビの音が「ゴンゴン」という塊のような音から、「なんか向こうで音が鳴ってるな」くらいの、ぼんやりした背景音に変わるわけ。
完璧にシャットアウトできるわけじゃないけど、これはこれで、ノイズキャンセル効果、あるっちゃあるんじゃない?
と、ふと思ったんだよね。
いや、待てよ。
ノイズキャンセルって、そもそもそういうもんじゃないでしょ、と自分にツッコミを入れる。
ノイズキャンセリング機能ってさ、外の音を打ち消す逆位相の音を出すんだとか、そういうハイテクな技術の話じゃない?
私のこの有線イヤホンは、ただ単に耳栓として機能しているだけなんじゃないの?
と、グルグル考え始める。
まるで、昔、テスト中にペン回しをしてて、隣の子に「それ、なんか意味あるの?
」と聞かれて「集中力が高まるんだよ」って、後付けで適当なこと言ってた小学生の頃の自分みたいだ。
まあ、でも、実際にテレビの音は小さくなるし、私の集中力も上がるから、結果オーライってことでいいのかな、なんて。
でも、この「あるっちゃあるけど、なんか違う」みたいな現象、日常に結構ある気がしない?
例えば、スーパーでさ、レジの人がバーコードをピッとする音。
あれって、結構大きいじゃない?
ピッ、ピッ、ピッ、って。
で、その後に「〇〇円です」って、やや高めの声で金額を言われる。
なんか、あの音と声のトーンが妙に耳に残るんだよね。
私もたまに、レジの前に並んでる時に、自分の番が来る前にカゴの中身を品定めしながら、何となく脳内で合計金額を計算したりするんだけど、いつも微妙にズレる。
まるで、有線イヤホンでノイズキャンセルしてるつもりが、実はただの耳栓だった、みたいなね。
結局、計算は合ってないんだけど、なんか計算した気になってる、っていう。
そういえば、先日電車に乗っていた時のこと。
向かいの席に座っていた若い女性が、ものすごく真剣な顔でイヤホンをしてたの。
耳から垂れるコードが、まるで点滴のチューブみたいで、なんだか痛々しく見えちゃってさ。
別に、痛いわけじゃないんだけど。
で、その人は、おそらくワイヤレスのイヤホンだと思うんだけど、耳にぴったりフィットしてる感じ。
多分あれは、最新のノイズキャンセリング機能付きってやつなんだろうな、と勝手に想像したわけ。
彼女はたぶん、電車内のガタガタ音とか、隣のおじさんのいびきとか、私の親のテレビの音レベルの騒音とか、そういうものを完璧にシャットアウトして、自分の世界に入り込んでるんだろうな、と。
なんか、ちょっと羨ましかった。
私はまだ、耳栓レベルの有線イヤホンで頑張ってるんだから。
そうこう考えてたら、ふと、ある疑問が頭をよぎった。
そもそも、有線のイヤホンでノイズキャンセリング機能って、存在するんだろうか?
私の知識では、そういうハイテクな機能って、バッテリーが必要だからワイヤレスが主流だと思ってたんだけど。
帰宅して、こっそりパソコンで調べてみた。
「有線イヤホン ノイズキャンセリング」。
すると、どうやら存在するらしい。
え、マジで?
でも、なんかこう、マイナーな感じ。
レビューも少なくて、製品もあまり見かけない。
まるで、実家の冷蔵庫の奥に眠ってる、賞味期限切れ間近の高級缶詰みたいだ。
あるにはあるけど、積極的に選ばれる存在ではない、みたいな。
この「あるっちゃあるけど、マイナー」っていう感じ、すごく分かる気がする。
私の人生にも、そういうこと結構あったりするんだよね。
例えば、昔、友達と旅行に行った時、私が持っていった地図が、実は数年前に廃線になった鉄道がまだ載ってるような古いものだった、とか。
いや、地図は地図だよ?
目的地はちゃんと書いてあるし、道も載ってる。
でも、もうその電車は走ってないから、結局バスに乗り換える羽目になったりしてさ。
あるっちゃあるけど、ちょっと古くて、今どきの役には立たない、みたいな。
私の有線イヤホンも、ノイズキャンセル「あるっちゃある」けど、本物の機能付きには遠い、っていう、なんだか切ない共感を覚えたよ。
結局、私が有線イヤホンで得ている静寂は、純粋に物理的な遮音性によるものだった。
耳栓効果。
でも、それでいいじゃないか、とも思うんだ。
完璧なノイズキャンセルじゃなくても、少しでも音が小さくなれば、それで十分。
母のテレビの音も、完全に消えなくても、少しでもマイルドになれば、私の神経もだいぶ落ち着く。
そうやって、ささやかな工夫で日常を乗り切る。
それはそれで、なかなか面白い生き方なんじゃないかな、なんて。
先日、また母がテレビの音量をマックスにしてて、さすがに隣の部屋にいる私も、バラエティ番組の笑い声が腹に響くレベルだった。
私は、いつもの有線イヤホンを耳に装着。
音楽を再生し、目を閉じる。
すると、隣室から聞こえてくるはずの爆笑が、なぜか「フフフ…」という上品な笑い声に聞こえてくるような気がした。
いや、完全に気のせいだけどね。
でも、そういう風に思えるだけでも、だいぶ違うもんだ。
有線イヤホンでノイズキャンセル。
あるっちゃあるけど、マイナー。
そして、私の使い方は、たぶん、その「マイナー」のさらに斜め下を行くような、素朴な耳栓機能。
でも、それでいい。
それで、私の耳は、今日もちょっとだけ静寂を手に入れる。
そして、モコちゃんが私の足元で「クゥン」と鳴いた時、その音がちゃんと聞こえるくらいの余白は、残しておきたいんだよね。
たとえそれが、ちょっとした「あるある」の勘違いだったとしてもさ。
だって、完璧すぎる世界って、なんだかちょっと寂しいじゃない?
多少のノイズがあった方が、人生も面白いってことだ、きっと。
うん、そういうことにしておこう。
💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。
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