📝 この記事のポイント
- 自販機で買ったコーヒーが想像と違う味で、一口で後悔した。
- なんだろう、この、やけに甘くて、でもコーヒーの苦味はどこへ? みたいな。
- 一口で、「あ、これ、もういいや」ってなる味。
自販機で買ったコーヒーが想像と違う味で、一口で後悔した。
薄い。
なんだろう、この、やけに甘くて、でもコーヒーの苦味はどこへ?
みたいな。
一口で、「あ、これ、もういいや」ってなる味。
もったいないけど、仕方ない。
私の選択ミスだ。
こういう、どうでもいいことを延々考えるのが、最近の私の得意技。
ここ数日、なんとなく体が重い。
朝、目が覚めてもスッキリしない。
息子は朝から元気に「腹減ったー!
」と叫んでいるけど、私にはそんなエネルギー、どこにもない。
ああ、これが五月病ってやつ?
もう六月だけど。
なんてぼんやり考えていたら、玄関でコタロウが「ワン!
」と吠えた。
散歩の時間だ。
コタロウはミニチュアシュナウザー。
毛並みは固めで、おじいちゃんみたいな眉毛と髭がチャームポイント。
今年で8歳になる。
人間で言えば、私とそう変わらない歳かしら。
初老ってやつ?
そんなコタロウを連れて、いつもの公園へ。
朝の空気はまだひんやりとしていて、Tシャツ一枚では少し肌寒いくらい。
でも、日中は夏みたいに暑くなるんだよね。
こういう気温差、体に応えるわぁ。
公園に着くと、コタロウは早速クンクンと地面の匂いを嗅ぎ始める。
他の犬のマーキング、前の晩に誰かが落としたフライドポテトの残り香、昨日まで咲いていたタンポポの痕跡。
コタロウにとっては、どれもが重要な情報源なんだろう。
私はそれを横目に、ベンチに座ってぼーっとする。
あ、あの犬、柴犬かな。
いつも元気いっぱい。
飼い主さんも若くて、サッと走って追いつくのがすごい。
私にはもう無理。
少しジョギングするだけで息が上がるもの。
コタロウが嬉しそうに駆け寄ってきたので、抱き上げて撫でてやる。
サラサラ、ゴワゴワ、でも撫でると気持ちいい。
その時だった。
ふと、コタロウの脇あたりから、なんとも言えない匂いがした。
「ん?
」と思って、もう一度クンクン。
気のせいか?
いや、違う。
なんか、ちょっと酸っぱいような、でも獣臭とは違う、独特の匂い。
私、昔から「ワキガ体質かもしれない…」って密かに悩んでいるんだよね。
特に夏場。
汗をかくと、急に「ん?
」ってなる瞬間がある。
多感な時期に、友達がコソコソ話しているのを聞いて、以来ずっと気にしている。
だから、デオドラントシートとスプレーは常に携帯。
夫には「気にしすぎだよ」って言われるけど、気にするものは気にするんだよ!
で、その匂いが、なんかコタロウの脇からするんだよね。
しかも、左の脇だけ。
右はあんまりしない。
え、まさか犬にもワキガってあるの?
人間のワキガって、アポクリン汗腺から出る汗が常在菌によって分解されて…って、なんかテレビで聞いたような。
犬も同じような仕組みがあるの?
コタロウの左脇のアポクリン汗腺だけが、なんか頑張りすぎちゃってるの?
家に帰ってきて、早速「犬 ワキガ」で検索してみた。
そしたら、出るわ出るわ。
「犬にもワキガ体質の子はいます!
」
「特定の犬種はなりやすい!
」
「蒸れると匂いが強くなる!
」
まじか。
コタロウ、シュナウザーだし、毛がモコモコだから蒸れるのはわかる。
でも、ワキガって。
なんか、犬と私で、まさか同じ悩みを抱えることになるとは思わなかった。
息子がリビングでゲームをしている。
最近はもっぱらフォートナイトらしい。
ヘッドセットをして、友達と「やばいやばい!
」「そこそこ!
」「ナイスキル!
」って、うるさいったらありゃしない。
まあ、楽しそうだからいいんだけど。
私「ねえ、コタロウってさ、なんか臭くない?
」
息子「え?
別に?
いつもの犬の匂いじゃん」
私「いや、なんか、こう、脇からさ、ちょっと酸っぱい匂いがしない?
」
息子「は?
ママも変なこと言うね。
コタロウは犬の匂いだよ」
息子は鼻が良いんだか悪いんだか。
いや、私が気にしすぎてるだけかもしれない。
でも、この匂い、気になる。
季節の変わり目って、人間も体調崩しやすいし、気分も浮き沈みする。
コタロウも、もしかしたら季節の変わり目で体質が変わったとか?
いやいや、そんな人間みたいな繊細な理由、犬にあるのかしら。
でも、私だって、春はちょっと憂鬱になるし、夏は汗だくでゲンナリするし、秋は食欲が止まらないし、冬は寒くて動きたくないし。
季節に左右されまくりだもの。
コタロウも、同じように何か感じているのかも。
そういえば、昔、電車で隣に座った女性が、ものすごい香水の匂いをさせていたことがあった。
もう、電車全体がその香水まみれ。
頭が痛くなるほど。
でも、その人はきっと、自分はいい匂いをさせているって思ってるんだろうな。
いや、もしかしたら、その人も自分の体臭を気にして、強めの香水をつけてるのかも。
私と同じじゃん!
って、その時思ったんだよね。
そう考えると、コタロウの脇の匂いも、私からしたら「ん?
」って思うけど、コタロウ自身は「これが俺のダンディズムだ!
」って思ってるのかもしれない。
いや、さすがに犬はそこまで考えてないか。
でも、誰かの「匂い」って、本当にデリケートな問題だ。
自分にとっていい匂いが、他人にはそうじゃなかったり。
その逆もまた然り。
コタロウが私の足元に寄り添って、スヤスヤと寝始めた。
寝息を立てるたびに、フワッと例の匂いが漂ってくる。
左脇だ。
やっぱり左脇が強い。
「コタロウ、君も脇の匂い、気にするタイプ?
」
そっとコタロウの脇の毛をかき分けてみる。
特に赤くなっているとか、荒れているわけでもない。
ただ、ちょっとジメッとしているような気もする。
これ、洗ってあげたらいいのかな。
でも、犬用のデオドラントスプレーとかあるのかな。
人間用はダメだよね、きっと。
私も、最近、デオドラントシートの消費量が半端ない。
朝、会社に行く前に一枚。
昼休憩にもう一枚。
パートの休憩中にまた一枚。
夏に向けて、どんどん消費量は増えるだろう。
まるでコタロウの左脇と私の両脇が、汗腺フル稼働で競い合っているみたいだ。
この前、スーパーで新しい洗濯洗剤のコーナーを見ていたら、「加齢臭対策に!
」とか「部屋干し臭に!
」とか、匂い対策の商品ばっかり並んでいた。
ああ、みんな悩んでいるんだなあ、匂いって。
犬も人間も、みんな匂いとの戦いなんだ。
コタロウの毛を撫でて、また匂いを嗅いでみる。
少しマイルドになったような、気のせいのような。
いや、私が慣れてきただけかもしれない。
「ねえ、コタロウ。
今度、一緒に脇の下、洗ってみる?
」
コタロウは、私の言葉がわかるわけもなく、気持ちよさそうに寝息を立てている。
まあ、いいか。
この匂いも含めて、コタロウなんだもんね。
私も、自分の脇の匂いと、上手に付き合っていくしかない。
お互い、ちょっと不本意な匂いを身にまといながら、初夏の日々を過ごしていくんだろう。
なんだか、少しだけ親近感が湧いてきた。
コタロウ、君も大変だね。
私もだよ。
なんて、犬に話しかける私も、相当変な人間に映るんだろうな。
まあ、いっか。
そんなもんだ。
💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。

