📝 この記事のポイント
- 朝、出勤前に冷蔵庫を開けたら、賞味期限切れの食材が4つも並んでいた。
- 問題は、そのうち2つが昨日、冷蔵庫を開けた時にもうすでに期限切れだったはずなのに、今日まで見て見ぬふりをしてしまったという、その私の心の弱さなのだ。
- 特に、スーパーで半額になっていた高級ハム。
朝、出勤前に冷蔵庫を開けたら、賞味期限切れの食材が4つも並んでいた。
いや、別に4つがどうってことじゃない。
問題は、そのうち2つが昨日、冷蔵庫を開けた時にもうすでに期限切れだったはずなのに、今日まで見て見ぬふりをしてしまったという、その私の心の弱さなのだ。
特に、スーパーで半額になっていた高級ハム。
これを使ってサンドイッチでも作ろうかなんて、浮かれながらカゴに入れたあの日の私を、今の私はどう思っているのだろう。
きっと、「ちゃんと計画的に食べなさい」と、眉間に皺を寄せて叱っているに違いない。
一人暮らしも長くなると、こういう「見て見ぬふり」の技術だけが妙に上達していく気がする。
床に落ちた髪の毛とか、シンクに溜まった洗い物とか。
明日やろう、明日こそは、と心に誓いながら、結局翌日も同じ誓いを立てている自分に苦笑いする。
特に、料理にハマってからは、この「明日やろう」の洗練度が格段に上がった。
凝った料理を作るのは好きなんだけど、その後の片付けが本当に億劫なんだよね。
だから、いつも「今日の感動は明日への活力になるから」なんて言い訳をして、使った調理器具をシンクに放置してしまう。
そして翌朝、カピカピになった鍋やフライパンを見て、昨日の自分を恨む、というルーティンをかれこれ半年ほど続けている。
そろそろ卒業したいとは思っているんだけど、なかなかどうして難しいもんだ。
そんな、ちょっとばかり自己管理能力に難ありな私でも、さすがに「これはちょっと、どうなの?
」と思う出来事があった。
先日、仕事帰りに、ちょっとした用事で駅前の商業施設に立ち寄った時のことだ。
その施設には、トレカショップが何軒か入っていて、いつも賑わっている。
私も学生時代は、よくカードを集めていたから、ああいう活気のある場所は嫌いじゃない。
むしろ、少しノスタルジーを感じたりもする。
その日は、たまたまそのうちの一軒のトレカショップの前を通ったんだ。
店の入り口に、普段は見かけない貼り紙がしてあるのが目に入った。
「臨時休業のお知らせ」と大きく書かれたその貼り紙には、こう続く。「お客様による、同フロア別テナント様貸室トイレの無断使用が多発したため、誠に恐縮ながら、当面の間、営業を休止させていただきます」。
え?
思わず二度見してしまった。
「臨時休業」はわかる。
でも、「お客様による、同フロア別テナント様貸室トイレの無断使用が多発したため」って、どういうこと?
それだけで営業停止?
いやいや、ちょっと待ってくれ。
もちろん、他人の会社のトイレを勝手に使うのは、マナー違反どころか、 Trespassing(不法侵入)という立派な罪になる可能性だってある。
そこは全く擁護する気はないし、絶対にやっちゃいけないことだ。
でも、それが原因で、お店が「当面の間」営業休止になるって、さすがに飛躍しすぎじゃないか?
まるで、ちょっとした忘れ物を取りに友達の家に寄ったら、そのままその友達が家を追い出された、みたいな、そんな話を聞いているような気分になった。
いや、例えがよくないな。
もっと、こう、些細なことが大事になった、みたいな。
普段から、飲食店で「当店は飲食物の持ち込みを固くお断りしております」という貼り紙を見るたびに、「いや、そんなに固く言わなくても、みんなわかってるよ」なんて心の中で呟いてしまう、そんな、ちょっと世の中の厳しさに鈍感な私からすると、このトレカショップの貼り紙は、あまりにも衝撃的だったんだ。
まるで、私が冷蔵庫の賞味期限切れのハムを見ないふりした罰として、今日の晩ご飯が強制的に抜きになる、くらいの理不尽さを感じた。
いや、私の場合は自業自得だけど。
その貼り紙を読みながら、私はしばし立ち尽くしてしまった。
頭の中では、「トイレの無断使用」と「営業休止」という二つの言葉が、まるでパズルのピースのようにカチャカチャと音を立ててぶつかり合っているのに、どうしてもぴたりとハマらない。
何かの間違いじゃないか?
実は裏に、もっと深刻な問題が隠されているんじゃないか?
例えば、その無断使用されたトイレから、何かとんでもないブツが見つかったとか。
いや、それだとトレカショップの責任とは直接関係ないか。
あるいは、無断使用した人が、その会社の社長の椅子に座って、勝手に決済のハンコを押しまくったとか?
いやいや、それもさすがにSFすぎる。
きっと、そうじゃないんだ。
これは本当に、純粋に「トイレの無断使用」が原因で、トレカショップが営業停止になったんだ。
きっと、その「同フロア別テナント様」というのが、かなりお堅い会社だったんだろう。
多分、弁護士事務所とか、会計事務所とか、あるいは高級不動産会社とか、そういう類いの。
で、トレカショップのお客さんが、頻繁にその会社のトイレを無断で利用して、それが会社の業務に支障をきたすレベルで問題になった。
だから、商業施設の管理会社から、トレカショップに対して、何らかのペナルティが課された、ということなんだろうな。
そう考えてみると、なんだか少しだけ、この理不尽な事態が理解できるような気もしてきた。
だって、想像してみてほしい。
もし、自分のオフィスに、毎日見知らぬ人たちがゾロゾロと入ってきて、トイレを勝手に使っていくとしたら、それはもう、仕事どころじゃない。
セキュリティ面でも問題だし、衛生面でも不安だし、何より、心理的に落ち着かないだろう。
特に、日本の会社って、そういう「公私の区別」とか「規律」みたいなものを、すごく大事にする文化があるからね。
それにしても、トレカショップも大変だっただろう。
お客さんに「トイレは店内にありませんので、商業施設の共用トイレをご利用ください」と、何度も注意喚起していたはずだ。
それなのに、聞く耳を持たないお客さんがいて、結果的に自分のお店が営業停止になってしまうなんて、まるで、自分の子供がよその家で悪さをして、自分が謝罪に行くどころか、家を追い出されたようなものじゃないか。
いや、これも例えが下手だな。
とにかく、理不尽さを通り越して、なんだか切なくなってくる話だ。
この一件以来、私は約束やルールというものについて、以前よりも少しだけ、真剣に考えるようになった。
もちろん、今までも破っちゃいけないものは破ってこなかったつもりだけど、ついつい「まあ、これくらいならいいか」と、自分に甘い判断をしてしまうことがあったのは事実だ。
賞味期限切れのハムを放置したり、洗い物をシンクに山積みにしたりするのも、ある意味、自分との約束を破っている行為だ。
このトレカショップの一件は、私にとって、ちょっとした「戒め」になった。
些細なルール違反が、思いもよらない大きな結果を招くこともある。
もちろん、このトレカショップのケースは、極端な例だとは思う。
でも、私たちが普段、何気なくしている行動が、知らず知らずのうちに、誰かに迷惑をかけたり、あるいは、何かを台無しにしてしまったりする可能性だって、ゼロじゃないんだよね。
だから、私はこの一件以来、冷蔵庫の食材の賞味期限を、以前よりも頻繁にチェックするようになった。
そして、シンクに洗い物を放置する時間も、心なしか短くなった気がする。
いや、あくまで「気がする」だけかもしれないけど。
でも、少なくとも、あのトレカショップの貼り紙を思い出すたびに、「ああ、明日やろうはバカやろう」という、どこかで聞いたことのある格言が頭の中をよぎるようになったのは事実だ。
きっと、そのトレカショップも、いつか営業を再開するだろう。
その時には、お客さんたちが、みんなきちんと施設の共用トイレを利用する、良識ある人たちばかりになっていることを願うばかりだ。
そして、私も、いつか「冷蔵庫の中がいつもピカピカ」という、素晴らしい新ルーティンを確立できるよう、日々精進していきたい。
まずは、今日使う予定の鶏むね肉を、明日まで冷蔵庫で眠らせないことから始めようと思う。
よし、今夜は鶏むね肉の塩麹漬けソテーだ。
洗い物が少ないメニューを選んでしまうあたりに、まだまだ私の甘さが見え隠れしているのは、ここだけの秘密にしておこう。
💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。
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