📝 この記事のポイント
- 自販機で買ったコーヒーが想像と違う味で、一口で後悔した。
- 夏の終わりかけ、湿っぽい空気のせいで、ただでさえ気分がちょっと沈みがちなのに。
- 季節の変わり目って、心と体にダイレクトに響く。
自販機で買ったコーヒーが想像と違う味で、一口で後悔した。
ああ、これじゃない。
夏の終わりかけ、湿っぽい空気のせいで、ただでさえ気分がちょっと沈みがちなのに。
季節の変わり目って、心と体にダイレクトに響く。
朝起きたら、寝汗でパジャマが肌に張り付いて、もう一度シャワーを浴びたくなる。
かと思えば、昼間は急に肌寒くなったりして、羽織りものが手放せない。
クローゼットも夏物と秋物がごっちゃになって、一体何を着ればいいのか、毎日悩む。
さて、その想像と違うコーヒー。
甘さ控えめブラックだと思って買ったら、まさかの微糖カフェオレだった。
パッケージは似てたのに。
レジで「ポイントカードはお持ちですか?
」と聞かれて、「いえ、結構です」と断るくらいの潔さで、一口で諦めた。
こういう小さいけれど、じわじわくる不満って、日常に溢れてる。
たとえば、パート先の「お局様」こと藤原さん。
いや、藤原さんとは言わないけど、仮にね。
彼女の「属性」を考えてみたくなった。
いや、属性っていうか、私から見た「欠点」なんだけど。
彼女は声が大きい。
電話対応なんて、事務所中に響き渡るから、こっちまで緊張する。
あと、人の話を途中で遮る。
自分が言いたいことだけ、一方的にまくし立てる。
それから、やたらと細かい。
書類のホチキスの位置が1ミリずれてるだけで、顔色変えて指摘してくる。
ああ、思い出したら胃が痛くなってきた。
午前中に藤原さんと軽くやり取りしただけで、今日の私のHPは半分くらい削られた気がする。
息子が部屋で漫画を読んでいるのを、ちらっと見た。
彼が好きなのは、やたらと叫ぶ熱血漢キャラとか、ツンツンしてるけど実は優しいツンデレキャラとか、そういうのが多い。
現実世界で、そんな人がいたらどうだろう。
毎日叫んでる人、常にツンツンしてる人。
私だったら、間違いなく距離を置く。
胃が痛くなるどころか、頭痛もするだろう。
でも、漫画の中では、それが「個性」であり「魅力」なんだから不思議だ。
藤原さんの「声が大きい」を二次元に変換したら、「圧倒的な肺活量を持つ、熱血指導者!
炎の演説で皆を奮い立たせる!
」とかになるのか。
いやいや、無理がある。
現実の藤原さんが、朝礼で声を張り上げても、みんなは「またか」って顔してるだけだ。
むしろ、耳を塞ぎたくなる。
でも、息子が好きな漫画の主人公なら、その「声の大きさ」は「仲間への情熱」とか「信念の強さ」に変換されるんだろうな。
「人の話を遮る」は?
「俊敏な思考力で、相手の真意を見抜き、即座に核心を突く!
」とか?
いやいや、藤原さんの場合は、ただ自分の話を聞いてほしいだけだ。
私の話なんて、聞いてない。
彼女の頭の中は、次の自分のセリフでいっぱいなんだと思う。
でも、二次元なら「超高速思考の戦略家!
無駄な会話を嫌い、最短距離で問題を解決する!
」とか、かっこよくなるのかもしれない。
そして「やたらと細かい」。
これはどうだ。
「微細な変化も見逃さない、観察眼の持ち主!
隠された真実を暴き出す!
」とか?
いや、藤原さんはホチキスの位置を直すだけだ。
それで真実が暴かれたためしはない。
でも、二次元キャラなら、その「細かさ」が「事件の鍵を見つける」とか「隠れた才能を発見する」とか、すごいスキルになるんだろうな。
そう考えると、私たちが「嫌だな」と感じる現実の他人の欠点って、二次元の世界に放り込んだ途端、「キャラ属性」に化ける魔法の素材なのかもしれない。
だって、どのキャラも「完璧」じゃない方が面白いもんね。
何か一つ、とがった部分があった方が、逆に愛着が湧いたりする。
欠点があるからこそ、人間味があるってやつだ。
現実の人間にも、そう思えたら良いんだけど。
ふと、自分のことも考えてみた。
私の「属性」は何だろう。
「忘れ物が多い」?
これは「うっかり天然系、みんなに支えられて成長する!
」とか?
いやいや、現実はただの迷惑な人だ。
パート先で使うボールペンを忘れて、隣の人に借りてばかり。
しまいには「また?
」って顔される。
天然って言われたところで、何も解決しない。
「優柔不断」?
これは「思慮深く、最善の選択を模索する知性派!
」とか?
いやいや、スーパーで夕飯のメニューを30分悩んで、結局いつもの豚バラ大根に落ち着くやつだ。
しかも、悩んだ割に大して美味しくなかったりする。
知性派とは程遠い。
「体力のなさ」?
これは「華奢で守ってあげたくなる系、みんなの庇護欲を掻き立てる!
」とか?
いやいや、重い買い物袋を両手に持って、家に着いた途端に玄関でへたり込むだけだ。
息子に「ママ、大丈夫?
」と心配されるたびに、罪悪感を感じる。
華奢どころか、ただの運動不足。
息子が好きな漫画のキャラは、みんな何かしら「必殺技」を持っている。
それもこれも、彼らの「属性」が昇華されたものだ。
「声が大きい」から「音波攻撃」とか、「細かい」から「精密射撃」とか。
私の「忘れ物が多い」が必殺技になるなら、なんだろう。
「忘れ物誘発の術」とか?
自分にも他人にも迷惑だ。
やめてくれ。
「優柔不断」が必殺技なら。
「選択肢無限増殖の罠」とか?
これもまた、困る。
でも、そうやって自分の欠点を「属性」として捉えようとすると、ちょっとだけ見え方が変わる気もする。
例えば、パートで私が「またペン忘れちゃった」と困っていると、隣のベテランパートさんがスッと自分のペンを貸してくれる。
その瞬間、私は「皆に支えられて成長する天然系ヒロイン」になれる…かもしれない。
いや、無理がある。
単なるポンコツ主婦だ。
でも、そういう「助けてもらう」というのも、一つの属性なのかも。
藤原さんの「声の大きさ」は、彼女がどこにいても誰にでも聞こえるから、緊急時には真っ先に状況を把握できる。
いや、いつも緊急事態なわけじゃない。
彼女の「人の話を遮る」は、彼女が誰よりも早く本質を掴みたい、という焦りの現れなのかも。
いや、単に待てないだけだと思う。
彼女の「細かい」は、裏を返せば「責任感が強い」ということなのかもしれない。
書類のミスで会社に損害が出たら大変だ、という思いがあるからこそ、隅々までチェックする。
そう考えると、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、尊敬できるような気が…しないでもない。
いや、やっぱり胃が痛い。
現実は二次元のように都合よくできていない。
欠点は欠点のままだ。
でも、そうやって「あの人の欠点も、もしかしたら二次元の属性だったら…」なんて考える時間が、少しだけ現実のストレスを和らげてくれるような気がする。
季節は確実に秋に向かっている。
朝晩の空気がひんやりしてきた。
先日、息子が「半袖もういらない」と言い出したので、押し入れから衣替えの段ボールを下ろした。
夏服を畳みながら、今年の夏の出来事をぼんやりと思い出す。
あの時の藤原さんの発言に、私はこんな顔をしていたな、とか。
自分のドジに、一人で赤面したっけ、とか。
そんなことを思い出しながら、クローゼットの奥に仕舞い込んだ夏服たちを眺める。
来年の夏には、もう少し人間的に成長した私になっていたい。
そして、藤原さんの「属性」も、もう少し好意的に捉えられる私になっていたい。
いや、やっぱり無理かな。
とりあえず、今度こそ正しい味のコーヒーを買うことから始めよう。
今度は、ちゃんとパッケージを隅々まで確認する。
うん、私の「細かい」属性、ちょっとだけ覚醒したかも。
💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。
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