ポムケンは立たないで!レジ前のカゴと私の猫と、世界の可愛さの話。

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📝 この記事のポイント

  • スーパーのレジで並んでいた時、前の人のカゴの中身が気になってしまった。
  • 別に覗き見するつもりなんて毛頭ないんですよ? ただ、ぼんやりとスマホを眺めてたら、ふと視界の端に入ってきてしまったというか、そこに存在してたんだよね、あまりにも目立つパッケージが。
  • それは、発売されたばかりのポケモン新作「ウインド&ウェーブ」のソフトだった。

スーパーのレジで並んでいた時、前の人のカゴの中身が気になってしまった。

別に覗き見するつもりなんて毛頭ないんですよ?

ただ、ぼんやりとスマホを眺めてたら、ふと視界の端に入ってきてしまったというか、そこに存在してたんだよね、あまりにも目立つパッケージが。

それは、発売されたばかりのポケモン新作「ウインド&ウェーブ」のソフトだった。

しかも2本。

いや、なんで2本?

親子でやるのかな、とか、友達の分も頼まれたのかな、とか、いやまさか、自分で両方プレイする強者なのか?

とか、どうでもいい考察が頭の中でぐるぐる回り始めた。

ポケモン新作。

ああ、そういえば、最近なんか世の中がざわついてたっけな。

確か、御三家ポケモンの一匹「ポムケン」が可愛すぎるって話だ。

レジのお姉さんがバーコードを読み込むたびに、カゴの中のポムケンのパッケージが揺れる。

その度に、私の心臓が「ひゃっ」ってなったのは内緒だ。

いや、本当に。

だって、あのポムケンだよ?

発表されたイラストを見た時、私も例に漏れず「可愛い〜!

」って声を上げた人間の一人なんだから。

丸っこい身体に、クリクリの瞳。

林檎みたいな頭のてっぺんにちょこんと葉っぱが生えてて、もうね、完全に反則級の可愛さ。

前の人がカゴからソフトを取り出して、レジ台に置いた瞬間、私は思わず前のめりになった。

ポムケンの顔が、私の目の前に、しかも実物大で、いや、パッケージだから等身大じゃないけど、とにかく現れたのだ。

その瞬間、私の頭の中に響き渡ったのは、ネットで見かけたあのフレーズだった。

「ポムケン立つな」。

そう、多くの人がポムケンの可愛さに魅了されつつも、同時に進化して「立つ」ことへの恐怖を叫んでいたのだ。

いや、わかる。

めちゃくちゃわかる。

だって、過去にだって、それはそれは可愛かった御三家が、進化して二足歩行になった途端、「え、誰?

」ってなること、あったじゃん?

いや、名前は出さないけど、みんな心当たりあるでしょ?

私も何度「キミは一体、どこで道を間違えたんだい…?

」と画面に向かって呟いたことか。

ポムケンには、どうか、その丸っこいフォルムを維持したまま、進化していってほしいと切に願うばかりだ。

なぜ人は、可愛いものに対して「このままでいてほしい」と願ってしまうのだろう。

いや、進化するのって、ポケモンの醍醐味だし、成長は喜ばしいことのはずなのにね。

まるで、姪っ子や甥っ子が成長して、可愛らしい幼少期を卒業していくのを見るような気持ちに近いのかもしれない。

あんなに小さかったのに、もう背も伸びて、生意気な口をきくようになって……って、いや、ちょっと違うか。

ポムケンは生意気じゃない。

きっと純粋無垢なままだ。

そうであってほしい。

この「ポムケン立つな」現象、実は日々の生活の中にも似たような感情を見つけることがある。

例えば、私の飼っている猫、ミケ。

彼女は御年8歳になる、ご立派なシニア猫だ。

私がソファでうたた寝をしていると、いつの間にかお腹の上に乗ってきて、丸まって寝ていることがある。

その時の彼女の姿といったら、もう、この世の全ての可愛さを凝縮したかのような丸さで、私は息を殺して、その温かい重みに耐える。

「ああ、このままずっとこうしていてくれ」って、本当にそう思う。

ただ、彼女も猫なので、急に「にゃーん」と一声鳴いて、お腹の上から飛び降りて、颯爽とご飯を要求しにいく。

その瞬間、「あ、やっぱり猫だった」って現実に引き戻されるんだけどね。

あるいは、電車の向かいの席に座っている赤ちゃんを見た時なんかもそうだ。

ベビーカーの中で、小さな手足をバタバタさせて、一生懸命こちらを見つめている。

目が合うと、にこっと笑ってくれるなんてことになった日には、もう、私の心臓は完全に鷲掴みだ。

そのまま、そのキラキラした瞳を曇らせることなく、健やかに育ってほしいと願わずにはいられない。

いや、もちろん、大人になっていく中で色々な経験をして、色々な感情を知っていくのが人間なんだけどさ。

でも、あの純粋な笑顔だけは、ずっと持ち続けていてほしいな、なんて、勝手なことを考えてしまうんだよね。

そういえば、昔、電車で隣に座ったおじいさんが、赤ちゃんを見て「昔は私もあんなだったんじゃ」と呟いていたのを聞いた時は、思わず吹き出しそうになったけど。

いや、おじいさんと赤ちゃんは、ちょっと繋がりが見えにくいですよ、と心の中でツッコミを入れたものだ。

さて、話はポムケンに戻るけれど、この「立つな」という願いの裏には、きっと「期待」があるんだと思う。

最高の可愛さを、最高の形で成長させてほしいという、ファンとしての切なる願い。

それは、私の猫がいつまでも元気でいてほしいと願う気持ちや、電車の赤ちゃんが笑顔のままでいてほしいと願う気持ちと、どこか共通する部分があるのかもしれない。

レジを終えた前の人は、嬉しそうに新作ソフトが入った袋を抱えて去っていった。

私もその背中を見送りながら、心の中でそっと呟いた。

「どうか、ポムケンが立つことなく、可愛く進化してくれますように」。

そして、家に帰って、冷蔵庫に貼り付けてある料理レシピのメモを眺めた。

今日の晩御飯は、冷凍の唐揚げを揚げるだけの簡単なやつ。

いや、別に自炊が苦手なわけじゃないんだけど、なんというか、料理って、手間をかけるほど美味しくなるっていうけど、私はその「手間」の部分で、いつも挫折しちゃうんだよね。

「このままでいてほしい」という願いは、裏を返せば「変化への恐れ」なのかもしれない。

可愛すぎるポムケンが、もし、とんでもない姿に進化してしまったらどうしよう、という不安。

それは、私が「料理上手な自分」に進化できないまま、冷凍食品に頼り続ける自分への、ちょっとした自虐でもある。

いや、わかってるよ、ちゃんと野菜も摂ってるし、健康に気を使ってるつもりだよ?

でも、やっぱり、レトルトカレーのパッケージに描かれた、あの完璧な「立つ」カツカレーを見るたびに、「私もいつか、あんなカツを揚げられるようになりたい」と、密かに願ってしまうんだよね。

そして、結局、冷凍庫からカツを引っ張り出して、油に放り込むんだけどさ。

ポムケンの進化も、私の料理も、きっとそれぞれの道がある。

もしかしたら、ポムケンは「立つ」ことで、新たな魅力を開花させるのかもしれない。

私もいつか、冷凍食品卒業して、ちゃんと出汁から取るような料理を作れるようになるのかもしれない。

いや、それはちょっとハードルが高いか。

でも、人間もポケモンも、猫も、時には立ち止まって、時には進化して、色々な姿を見せてくれる。

それでいいんだ。

だから、もしポムケンが進化して、二足歩行になったとしても、私はきっと「あ、ポムケン、立ったんだな」って、ちょっと寂しがりつつも、温かい目で見守るだろう。

そして、もし、その姿が想像以上に格好良かったら、多分、掌を返したように「ポムケン、最高!

」って叫び出すに違いない。

人間って、そういうもんだよね。

さて、今日の晩御飯は、冷凍の唐揚げを揚げて、ご飯と一緒に食べるか。

あ、でも、もしかしたら、うちのミケが、私が料理をしている間に、冷蔵庫のプリンを狙って「立つ」かもしれないな。

いや、猫は立たない。

そう信じたい。

でも、もし立ったら…私はきっと、その姿を一番にスマホで撮るだろう。

そして、心の中で「ミケ、最高!

」って叫ぶんだろうな、と、レジで見たポムケンを思い出しながら、一人ごちるのだった。


💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。

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