合わない服とサウナ玉、僕の無駄な買い物奮闘記

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📝 この記事のポイント

  • ネットで注文した服のサイズが合わなくて、返品の手続きが面倒で放置している。
  • 正確には、もう一週間くらい、リビングの隅に、ビニール袋に入ったままのパーカーが申し訳なさそうに鎮座している。
  • Sサイズだと思って買ったのに、届いたのはどう見てもMかL。

ネットで注文した服のサイズが合わなくて、返品の手続きが面倒で放置している。

正確には、もう一週間くらい、リビングの隅に、ビニール袋に入ったままのパーカーが申し訳なさそうに鎮座している。

Sサイズだと思って買ったのに、届いたのはどう見てもMかL。

いや、僕の体がSサイズに見えるわけがないんだから、むしろお店側が間違っているのかもしれない。

いやいや、表記はSだった。

きっと海外サイズだったんだろう。

そう、これは僕の落ち度ではなく、グローバル化の波に乗り切れなかった日本のサイズ表記の問題だ。

……と、毎回言い訳を並べては、重い腰を上げずに今日に至る。

一度着てみたら肩幅が合わなくて、腕を上げると脇が攣りそうになった。

もう、着る気にもなれない。

でも、返品のウェブサイトを開いて、返品理由を入力して、集荷依頼をして、梱包して、伝票を貼り付けて……と想像するだけで、どっと疲れてしまう。

週末に子どもと会う約束がなければ、このパーカーを抱きしめて三日三晩泣き明かすところだが、幸いにも来週は娘の誕生日。

そんなことをしている暇はない。

この返品放置癖、実は昔からなんだよね。

前に買ったコーヒーメーカーも、電源コードが短すぎて置き場所に困り、結局一度も使わないまま棚の奥で眠っている。

その隣には、衝動買いしたけれど一度も読んでいない分厚い哲学書が埃を被っている。

いや、哲学書はいつか読む日が来るかもしれない。

いや、来ない。

わかってる。

だって、そこには「人間存在の根源的問い」みたいな堅苦しいタイトルがデカデカと書かれているんだ。

僕の人生の根源的問いは、「今夜の晩飯は何にするか?

」とか、「次の週末、娘と何して遊ぼうか?

」とか、その程度なんだから。

それに比べて、このパーカーは純粋に僕の読み違い、いや、お店の表記ミス、いや、グローバル化の波、いや、僕の怠惰が引き起こした悲劇だ。

まあ、悲劇と呼ぶには些か大げさすぎるけど、とにかく、このパーカーのせいで僕の心の収納スペースがちょっとだけ圧迫されているのは事実なんだ。

そんな僕が最近、またしてもネットの海でとんでもないものを見つけてしまった。

「たまも~る」。

この響きだけで、なんだかもう笑ってしまうんだけど、これはサウナの高熱から大事な精巣を守るための、いわゆるサウナアイテムらしい。

商品ページには、開発者のガチ熱弁が炸裂していて、「精巣はデリケートな器官であり、高熱に晒されることで精子形成に悪影響を及ぼす可能性がある」とか、「男性不妊のリスクを軽減するためにも、適切な保護が必要不可欠」とか、もう真面目な顔で熱く語られている。

その熱量が尋常じゃないんだ。

まるで、この「たまも~る」が人類の未来を左右するような、そんな大げさな使命感を背負っているかのような勢い。

でも、その熱弁に妙に納得させられてしまう自分もいる。

「たしかに、サウナ入ると、あそこ、熱いよな…」って。

いや、熱いなんてもんじゃない。

熱いを超えて、もはや「痛い」の領域に片足を突っ込んでいることもしばしばだ。

特に、熱波師がタオルを振り回して、熱気が一気に押し寄せてきた時なんかは、思わず股間を両手でガードしてしまう。

あれは本能的な防御反応なんだろうな。

その「たまも~る」は、特殊な冷却ジェルが入った袋状のアイテムで、装着することでデリケートな部分を適温に保ってくれるらしい。

これを見たとき、僕の脳裏には、サウナ室でこれを装着している自分の姿が鮮明に浮かび上がった。

いや、これは完全に不審者だ。

湯気で少し霞んだサウナ室の片隅で、一人、股間を何かで覆っている男。

周りの人はきっと「あいつ、何かヤバい病気でも抱えてるのか…?

」と、僕から距離を取るだろう。

いや、待てよ。

もしかしたら、サウナ愛好家の間では、すでに市民権を得ているのかもしれない。

いや、そんなわけない。

僕の行く近所のサウナでは、誰もそんなものをつけている人を見たことがない。

みんな、真っ赤な顔して、汗だくで、まるで修行僧のように耐え忍んでいるだけだ。

僕もその一人。

でも、あの熱波が来たときの、股間へのダメージは本当に無視できないんだよな。

結局、僕はこの「たまも~る」を、その熱弁に負けてポチってしまった。

もちろん、家族には内緒だ。

娘に見つかったら、「パパ、これ何?

」と純粋な瞳で聞かれ、僕は「いや、これは……パパの、いや、その、大事なものを守るための……えっと、秘密兵器だよ!

」と、しどろもどろになること請け合いだ。

想像するだけで汗が噴き出してくる。

そして、きっと元妻には「また変なもの買ったの?

」と、呆れた顔で言われるだろう。

離婚してからも、僕のこういった衝動買い癖は治っていない。

いや、治るどころか、最近はさらに加速している気がする。

離婚のストレスか?

いや、ただの僕の性格の問題だ。

先日、娘と面会した時、公園で遊んだ帰り道に、なぜか娘が僕の股間を指差して「パパ、そこ、何が入ってるの?

」と聞いてきた。

僕は一瞬、ギョッとした。

まさか、あの「たまも~る」がバッグの中から見えていたのか?

いや、そんなことはない。

きちんとカバンの一番奥に隠したはずだ。

僕は顔色を変えずに、「え?

何も入ってないよ?

パパのお腹だよ」と答えた。

娘は納得いかない顔で、「だって、パパのお腹、なんか変な形してるもん!

」と。

いや、それはただの僕のお腹のたるみだ。

最近、運動不足だからね。

まさか、娘のそんな何気ない一言で、こんなに動揺するとは。

我ながら情けない。

結局、あの「たまも~る」はまだ開封すらしていない。

サウナに行く機会がまだないからだ。

いや、正確には、サウナに行く勇気がないからだ。

あんなものを股間に装着してサウナ室に入るなんて、僕にはまだハードルが高い。

きっと、サウナ室のドアを開ける瞬間に、僕の心臓は激しい熱波に晒された股間のように、ドクドクと鼓動を速めるだろう。

そして、もし誰かに気づかれたら……想像するだけで、もう汗が止まらない。

いや、これもまた、ネットで買った服の返品を放置しているのと同じ種類の、僕の臆病な性格が引き起こしている問題なんだろうな。

言い訳を探せばいくらでも見つかる。

例えば、「まだ適切な冷却ジェルを凍らせていないから」とか、「サウナ室の混雑状況を調べていないから」とか。

でも、本当のところは、僕の小心さが原因だ。

でも、一度は試してみたいんだよな。

あの熱弁を信じて、大事な部分を守るという使命感に駆られている自分もいる。

いや、使命感なんて大げさなものじゃない。

ただの好奇心だ。

失敗したら、それはそれで、また一つ笑い話のネタが増えるだけだ。

そう、僕の人生は失敗談の宝庫なんだ。

離婚したのも、まあ、広い意味では失敗談の一つかもしれない。

いや、あれは夫婦二人の失敗だ。

僕だけのせいじゃない。

……と、またしても言い訳を並べてしまう。

次はきっと、サウナに行くぞ。

そして、あの「たまも~る」を装着して、熱波を真正面から受け止めてやる。

いや、正面からだと見えやすいから、ちょっと斜め向きに座るかもしれない。

いや、そんなことを気にしているようじゃダメだ。

堂々と、人類の未来を背負うかのように、あの熱波に立ち向かうんだ。

そして、もし効果を実感できたら、このエッセイで皆さんに報告するかもしれない。

いや、しないかもしれない。

だって、僕の恥ずかしい失敗談が増えるだけだから。

でも、きっと後悔はしないだろう。

いや、するかもしれない。

どうせなら、あの返品放置しているパーカーも着てサウナに行けば、一石二鳥で返品の手間も省けるし、サウナの熱気で汗だくになって痩せたら、もしかしたらサイズが合うようになるかもしれない。

いや、無理だ。

そんな都合のいい話があるわけない。

僕の人生、そんなに甘くないんだから。


💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。

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