返品放置の服と、THE ALFEE最強説を唱える週末

📝 この記事のポイント

  • ネットで注文した服のサイズが合わなくて、返品の手続きが面倒で放置している。
  • 部屋の片隅で、段ボールに収まったままのそれは、まるで僕の人生における「後回し案件」の象徴みたいに鎮座している。
  • 週末、リビングのソファでぼんやりと天井を眺めながら、妻と別れてからというもの、こういう小さなタスクが億劫で仕方ない自分に苦笑する。

ネットで注文した服のサイズが合わなくて、返品の手続きが面倒で放置している。

もうかれこれ二週間。

いや、三週間かもしれない。

部屋の片隅で、段ボールに収まったままのそれは、まるで僕の人生における「後回し案件」の象徴みたいに鎮座している。

週末、リビングのソファでぼんやりと天井を眺めながら、妻と別れてからというもの、こういう小さなタスクが億劫で仕方ない自分に苦笑する。

子どもと会う週末は、普段のグダグダな僕から一転、シャキッと父親モードに切り替わる……つもりなんだけど、実際は「はー、疲れたー」とソファに沈み込む時間が大半だったりする。

小学四年生の娘は最近、友達の影響で「最強のパーティ」について語るのがブームらしい。

RPGの話なんだけど、それがなかなか面白い。

先週末も、僕がスーパーで買ってきた半額の鶏胸肉を冷蔵庫にしまいながら、彼女は興奮気味に「パパ!

もし本当にモンスターが現れたら、誰を仲間に入れる?

」なんて質問を投げかけてきた。

「んー、そうだなあ。

やっぱり、まずは回復役が必要だよね。

そんで、物理攻撃できる前衛と、魔法攻撃できる後衛……」なんて、僕も子どもの頃にファミコンで培った知識を引っ張り出して真面目に考えていた。

娘は目をキラキラさせて、「誰がいい?

誰がいい?

」とせがむ。

「うーん、回復役は、優しいおばあちゃんとか?

物理は、なんかこう、マッチョな消防士さんとか?

」なんて曖昧なことを言うと、「ちがーう!

有名人だよ、有名人!

」とピシャリ。

なるほど、そこは譲れないらしい。

「じゃあ、物理攻撃は、えっと、柔道やってる武田真治さんとか?

魔法は、美輪明宏さんとかどう?

」と適当に答えてみた。

「美輪明宏さん、いいかもー!

なんか強そう!

」と娘は意外にも食いついた。

そして彼女が発した一言に、僕は思わず「おおっ」と感嘆の声を漏らした。

「でもね、友達と話してて、最強のパーティって言ったら、THE ALFEEだねってなったの」。

THE ALFEE。

まさかの固有名詞。

しかも、僕の世代にとっては、ちょっと意外な人選だった。

娘は僕の驚きをよそに、目を輝かせて続けた。

「だって、あの人たち、全員強いんだよ!

桜井さんはさ、あの声でモンスターを魅了したり、逆に攻撃したりできるんじゃない?

歌で!

魔法だよ、魔法!

」と力説する。

確かに、あの低音ボイスは、ある種の魔法かもしれない。

コンサートで生で聴いた時、胸に響くというより、腹に響いてくるような重低音だったのを思い出す。

あれは物理攻撃の一種と捉えることも可能か?

「でしょでしょ?

高見沢さんはさ、ギターで攻撃だよ!

しかもあのギター、絶対特別な力があるやつじゃん?

めっちゃ光ってるし、尖ってるし、物理も魔法もどっちもいけると思うんだよね!

」と、高見沢さんのギターを光属性の武器と勝手に認定している。

確かに、あの変形ギターは、見た目からしてファンタジー世界の伝説の武器感がある。

しかも、ご本人も光り輝く衣装を着ていることが多いから、ビジュアル的にもかなり強い。

そして、娘は坂崎さんの役割について、少し考えてからこう言った。

「坂崎さんはね、回復役!

みんなを笑顔にするから、きっと回復魔法が使えるんだよ!

あと、あの穏やかな顔で敵を油断させて、からの〜攻撃とか!

隠れた強キャラだと思う!

」なるほど、その発想はなかった。

確かに、坂崎さんのあの柔和な笑顔は、あらゆる緊張を解きほぐす回復魔法のように働くかもしれない。

そして、時折見せる鋭いツッコミや、楽器を弾きこなす腕前は、隠れたアタッカーとしての素質を感じさせる。

つまり、THE ALFEEは、ボーカルの桜井さんが魔法兼物理アタッカー、ギターの高見沢さんが物理兼魔法アタッカー、そして坂崎さんが回復役兼隠れアタッカーという、完璧なパーティ構成だというのだ。

娘の熱弁を聞きながら、僕は「ああ、なるほど。

これは強い。

強すぎる」と心の中で納得していた。

特に、彼らのあの長く続く活動歴と、ライブでの圧倒的なパフォーマンスを考えれば、どんな強敵にも屈しない精神力と体力を持っていることは間違いない。

それに、あの独特のユーモアセンスと、MCでの掛け合いは、パーティの士気を高めるバフ効果もあるだろう。

戦いの途中で歌い出されたら、敵も味方も思わず聴き入ってしまいそうだ。

「だからね、パパ。

THE ALFEEとだけは戦いたくないんだよね」と娘は真顔で言い放った。

僕は思わず吹き出した。

「それは、パパも同感だわ。

もし戦うことになったら、まず勝てない。

というか、戦う気力すら奪われそうだ」と答えると、娘も満足げに笑った。

THE ALFEE最強説。

一般層とファンで、誰が魔法系で誰が物理系かで意見が割れるという話も、なんだかよくわかる。

僕も娘の話を聞いて、桜井さんの声が「歌による精神攻撃」と「物理的な振動波攻撃」のどちらに分類されるべきか、真剣に考えてしまった。

高見沢さんのギターは、見た目と音で敵を圧倒する「視覚・聴覚系魔法攻撃」であり、同時に弦を叩きつける「物理攻撃」にもなりうる。

坂崎さんの笑顔とトークは、完全に「精神回復魔法」だけど、あのフォークギターで殴られたら普通に痛いだろうから「物理攻撃」もいける。

結論、全員がマルチジョブ持ちの最強パーティなのだ。

この話を聞いてから、僕の頭の中ではTHE ALFEEの曲がエンドレスで流れるようになった。

スーパーで鶏胸肉を選んでいるときも、洗濯物を干しているときも、彼らの歌声が脳内BGMとして響く。

なんだか、普段の何気ない家事が、壮大なRPGのクエストのように感じられてくるから不思議だ。

洗濯物を畳むたびに「メリーアン!

」と叫びそうになったり、カレーを作っている時に「星空のディスタンス」を口ずさんだり。

完全に毒されている。

そういえば、先日、猫のミケが僕の書斎に忍び込んで、またしても棚の上のものを落とした。

僕が買ったばかりの観葉植物の鉢をひっくり返して、土まみれになった床を見て、思わず「お前もTHE ALFEEパーティに入れ!

」と叫んでしまった。

ミケはというと、何食わぬ顔で毛づくろいを始める始末。

あの無表情、あれこそ敵を油断させるスキルだな、と妙に納得してしまった。

物理防御力は低そうだが、身のこなしの早さで回避率は高そうだ。

そして、その愛くるしい見た目で、敵を回復させる「癒やし」の魔法を持っている。

やはり猫も最強パーティの一員になりうる。

娘との面会が終わり、彼女を元妻の家まで送り届けた帰り道。

いつもの駅前のラーメン屋で、一人チャーシュー麺をすすりながら、ふと考える。

僕の人生のパーティ構成はどうなっているんだろう、と。

回復役は、週末に会う娘の笑顔かな。

物理攻撃は、仕事でたまに成果が出た時の達成感。

魔法攻撃は……うーん、なんだろう。

多分、ネット通販で衝動買いした服がサイズ違いで届く、とか、そういう予測不能な「イレギュラー魔法」を自分で発動させて、自分でダメージ受けてるタイプだろうな。

「あー、やっぱりあの服、返品しなきゃなあ」と、冷めかけたラーメンのスープを飲みながら僕はため息をついた。

段ボールに書いてある返品先の住所と、集荷依頼の電話番号を、メモに書き写す作業。

たったそれだけなのに、なんでこんなに重い腰が上がらないんだろう。

きっと僕の「やる気」という名のHPは、常にギリギリなんだろう。

THE ALFEEの皆さんのように、パワフルな「やる気」を常に満タンにしておきたいものだ。

よし、次は。

次は絶対に、あの服を返品する。

返品が完了したら、自分にご褒美として、ちょっと高めの焼肉弁当でも買って帰ろう。

そう心に誓ったものの、その焼肉弁当を食べる頃には、また別の後回し案件が山積しているのが目に見えている。

たぶん、その頃にはまた別のネット通販で失敗して、サイズ違いの帽子とか、謎の健康グッズとかが届いて、途方に暮れている自分がいるんだろう。

人生は、失敗と反省と、そしてまた失敗の繰り返しだ。

でも、その繰り返しを笑い飛ばせるくらいの、心の余裕は持っていたいものだ。

そして、THE ALFEEの皆さんのように、いつまでも輝き続けたい。

無理だけど。


💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。

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