📝 この記事のポイント
- アイリスオーヤマ ペット ウェットティッシュ ノンアルコール なめても安心 DPWT-8Pamzn.to¥1,0452026年2月13日 11:40時点詳細を見る 帰宅すると、いつも同じ場所で彼が待っている。
- フローリングの冷たさが伝わるのか、丸くなった体の下には、彼自身の体温でできた小さなぬくもりの孤島がある。
- その静かな存在に、私は一日の鎧をそっと脱ぐ。

帰宅すると、いつも同じ場所で彼が待っている。フローリングの冷たさが伝わるのか、丸くなった体の下には、彼自身の体温でできた小さなぬくもりの孤島がある。その静かな存在に、私は一日の鎧をそっと脱ぐ。以前は、完璧な衛生環境を追い求めていた時期があった。除菌スプレーを撒き、専用のシートで床を磨き、彼の足裏一つひとつに神経を尖らせて。でも、その完璧さは脆く、ある日突然、すべてが面倒になった。張り詰めていた糸が、ぷつりと切れたように。そんな時、まるで必然のように現れたのが、この白い塊。アイリスオーヤマのペット用ウェットティッシュ。最初はただの消耗品としか見ていなかった。このおびただしい数の白いシートが、静かに我が家を支配し始めていることに、私はまだ気づいていなかったのだ。
使い続けて分かったこと
8週間、このウェットティッシュと共に暮らした。いや、共存、という言葉の方が正しいのかもしれない。
始まりは、彼の散歩の後だった。泥で汚れた肉球を拭くための、ささやかな儀式。一枚引き抜き、優しく汚れを吸い取らせる。彼はそれを嫌がることもなく、ただされるがままになっていた。次に食事の後、口の周りを拭いた。それだけだった。それだけのはずだったのだ。
変化は静かに訪れた。
ある日、こぼしたコーヒーの黒い染みが、テーブルの上で小さな湖を作っていた。無意識に手が伸びた先には、布巾ではなく、この白いシートがあった。躊躇なく一枚を引き抜き、染みを拭う。黒は白に吸収され、跡形もなく消えた。そのあまりの手軽さに、私は少し戸惑った。便利、という感情よりも先に、何かが簡略化されすぎているような、奇妙な感覚。
それからだ。私の視界に「拭き取るべきもの」が次々と現れ始めたのは。
スマートフォンの画面についた指紋。パソコンのキーボードに溜まった微かな埃。洗面台に飛び散った水の跡。床に落ちた、私の髪の毛一本。それらすべてが、このウェットティッシュを求めているように見えた。私はまるで、世界の綻びを修復する作業員のように、黙々とシートを引き抜き、拭き続けた。
家の中のあらゆる場所に、この緑色のパッケージが置かれるようになった。リビングに一つ、寝室に一つ、キッチンに一つ、玄関に一つ。それはまるで、私の生活圏をマーキングする印のようだ。このシートがないと、何か大切な手順を忘れているような、落ち着かない気持ちになる。
予想外の発見は、その万能性がもたらす「思考の停止」だった。汚れの種類も、場所も、素材も関係ない。ただ、拭く。それだけでいい。考える必要がないのだ。このシート一枚で、世界の輪郭が少しだけはっきりする。拭き取るたびに、何かがリセットされるような、奇妙な全能感と安心感。
だが、ふと思うことがある。拭き取っているのは、本当に汚れだけなのだろうか、と。
なめても安心、という名の無関心
この製品の謳い文句は「なめても安心」。ノンアルコールで、ペットの体に配慮されているという。事実、彼は私が口元を拭いた後、その舌で自分の唇をぺろりと舐めるが、特に変わった様子は見せない。
かつての私は、成分表示を虫眼鏡で覗き込むようにして読んでいた。カタカナの羅列に目眩を覚え、その一つひとつが彼の体にどんな影響を及ぼすのかを想像しては、不安に駆られていた。その探究心は、愛情というよりは強迫観念に近かったかもしれない。
だが、今は違う。
このシートを手にしてから、私は成分表示をほとんど見なくなった。「なめても安心」という言葉が、私と思考の間に一枚の膜を張る。その言葉を信じるだけでいい。それ以上、深く知る必要はない。安心とは、無知でいること、無関心でいられることの別名なのかもしれない。
彼は気ままに体を舐め、私はただそれを見ている。私たちの間にあった見えない壁が、この湿った一枚で溶けていくようだ。あるいは、見えなくされているだけなのか。どちらにせよ、その平穏は心地よかった。
静かに寄り添う、潤いの持続力
このウェットティッシュの奇妙な点の一つは、その潤いにある。80枚入りのパッケージを開封し、一枚、また一枚と使っていく。普通なら、最後の数枚になる頃には、乾いてただの紙になっているものだろう。
しかし、これは違う。最後の1枚まで、生まれたてのような湿り気を保っているのだ。まるで、この部屋の湿度を一定に保つための装置のようでもある。蓋の役割を果たすシールの粘着力が弱まり、半開きの状態になっていても、不思議と潤いは逃げていかない。まるでシート自身が呼吸し、内部の水分を守っているかのようだ。
この決して乾かない潤いは、私にいつでも使えるという絶対的な信頼感を与える。夜中に彼が粗相をしても、慌てることはない。暗闇の中で手探りでパッケージを見つけ、引き抜いたシートは、いつもと同じようにひんやりと湿っている。その湿り気が、私の焦燥感を静かに吸い取っていく。
それは頼もしい相棒のようでもあり、同時に、こちらの都合などお構いなしに存在し続ける、無機質な生命体のようにも感じられるのだった。
連なり出てくる白い影たち
完璧なものは、この世にない。このウェットティッシュも例外ではない。ただ、その欠点ですら、何かの意思を持っているように思えてくる。
一枚だけが欲しい。そう思ってシートの端をつまみ、引き抜こうとすると、必ずと言っていいほど、二枚、三枚と仲間を連れてくるのだ。彼らはまるで離れることを拒んでいるかのように、固く手を取り合って現れる。一枚だけを剥がそうとすると、薄いシートが伸び、破れそうになる。
結局、私は諦めて、数枚まとめて引き抜くことになる。そして、必要以上のシートを手に、次なる「拭くべきもの」を探すことになる。これは、消費を促すための巧妙な罠なのだろうか。
また、片手で引き抜こうとすると、軽いパッケージごと持ち上がってしまう。これも地味ながら、日常の滑らかな流れを阻害する小さな突起だ。もう片方の手でパッケージを押さえるという一手間を、私に強要する。まるで、私を試しているかのように。そのわずかな抵抗が、私とこの製品との間に、奇妙な緊張関係を生み出している。
Q1: シートの厚みは十分ですか?
A: 正直に言うと、一枚では心許ない。光にかざせば、向こう側が透けて見えるほどだ。彼の粗相のような、少し手強い事態に一枚で立ち向かうのは無謀だろう。だが、8週間の使用で学んだのは、重ねることの強さだ。二枚重ねれば、ほとんどの悲劇は受け止められる。三枚重ねれば、それはもはや要塞となる。薄さは、使い方次第で弱点にも武器にもなる。
Q2: 他のウェットティッシュと比べてどうですか?
A: 以前使っていた他のものは「目的」があった。手口拭き用、床掃除用、除菌用。それぞれに役割があり、私はそれを選び取っていた。だが、これは違う。これは「日常」そのものになる。気づけば、家中のあらゆる場所にこのパッケージが置かれ、あらゆる汚れがこれ一枚で対処されるようになる。もはや、比較対象は存在しない。これは、ウェットティッシュというカテゴリーではなく、私の生活の一部なのだ。
Q3: 匂いは大丈夫ですか?
A: 無臭だ。徹底した無。それが逆に、空間の匂いを際立たせる。拭き取った後には、無が残る。ペットの匂い、淹れたてのコーヒーの香り、そして、私自身の生活の匂い。それらが混じり合ったこの部屋の空気を、このシートはリセットする。何かを付け加えるのではなく、ただ引いていく。その無機質さが、時々、少しだけ怖くなる。

当サイトは商品紹介の際にアフィリエイトプログラムを利用しています。リンク経由で購入いただくと当サイトに紹介料が入る仕組みです。
商品の価格・在庫・仕様は記事作成時点のものです。最新情報は各販売サイトでご確認ください。
記事内のレビューは筆者個人の体験・感想であり、効果を保証するものではありません。

