📝 この記事のポイント
- ※本記事は『ソウX [Blu-ray]』の重大なネタバレを含みます。
- この記事は、作品をすでに愛しているファンの方々と、その魅力を深く分かち合うために執筆しました。
- ようこそ、ジグソウの原点へ ※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます ソウX amzn.to ¥2,328 2026年2月10日 6:47時点 時点の価格 詳細を見る 『ソウX』、それは単なるシリーズ最新作ではありません。
※本記事は『ソウX [Blu-ray]』の重大なネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。この記事は、作品をすでに愛しているファンの方々と、その魅力を深く分かち合うために執筆しました。
ようこそ、ジグソウの原点へ
※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます

『ソウX』、それは単なるシリーズ最新作ではありません。これは、我々が愛してやまないジョン・クレイマーという男の魂の記録であり、彼の哲学が最も純粋な形で発露した「原点の物語」です。時系列は『ソウ』と『ソウ2』の間。つまり、まだ彼の後継者争いが泥沼化する前、アマンダとの師弟関係が築かれ始めたばかりの、最も人間味あふれるジグソウの姿がここにあります。末期がんに苦しみ、藁にもすがる思いで希望を求めた一人の男が、なぜ再び地獄のゲームマスターへと戻らなければならなかったのか。本作は、その痛切な理由を、シリーズ屈指の残酷さとエモーショナルなドラマで描き切っています。これはただのスリラー映画ではない。一人の人間の尊厳をかけた、悲しくも美しい復讐劇なのです。
希望を弄んだ者たちへの鉄槌
末期の脳腫瘍に苦しむジョン・クレイマーは、同じがん患者のヘンリーから、ノルウェーの医師団による奇跡的な治療法の噂を聞きます。藁にもすがる思いで連絡を取ったジョンは、セシリア・ペダーソン医師のチームによる、メキシコでの未認可治療を受けることを決意。手術は成功したかのように見え、ジョンは一筋の光明を見出します。しかし、快復の喜びも束の間、彼は治療施設がもぬけの殻であり、全てが巧妙に仕組まれた詐欺であったことを知るのです。希望を、そして生きるための最後の祈りを踏みにじられたジョン。彼の内なる「ジグソウ」が、静かに、そして猛烈に覚醒します。彼は共犯者であるタクシー運転手のディエゴを最初の被験者とし、アマンダ・ヤングを呼び寄せ、セシリア率いる詐欺グループ全員に「命の価値」を問うための壮絶なゲームを開始するのでした。彼らが偽りの手術室として使った工場は、今や真実の裁きの場と化します。
物語を彩る主要キャラクター
ジョン・クレイマー(ジグソウ)
本作の紛れもない主人公。これまでの作品では「ゲームの考案者」という超越的な存在として描かれがちでしたが、『ソウX』では彼の弱さ、苦悩、そして絶望が赤裸々に描かれます。希望を抱き、感謝の涙を流し、そして裏切られて怒りに震える彼の姿は、あまりにも人間的。だからこそ、彼の執行するゲームには、単なる残虐性を超えた、痛切な「正義」と哲学が宿ります。ファンなら誰もが、彼の行動に胸を痛め、そして心の底から声援を送りたくなるはずです。
アマンダ・ヤング
ジョンの最初の後継者。『1』で生還し、本作では彼の右腕としてゲームの準備と実行を手伝います。まだ後継者としての葛藤を抱え、時に被験者に同情的な眼差しを向けるなど、彼女の人間性が垣間見える貴重な姿が描かれます。ジョンを心から師と仰ぎ、彼の苦しみを理解しようとする姿は健気で、二人の間に流れる歪んだ師弟愛、あるいは疑似親子のような絆に胸が締め付けられます。彼女の存在が、物語に深みと切なさを与えています。
セシリア・ペダーソン
シリーズ史上、最も狡猾で邪悪な敵役と言っても過言ではないでしょう。末期がん患者の希望を食い物にする冷酷非道な詐欺師。ゲームの被験者となっても一切反省せず、自身の生存のためなら他者を平気で犠牲にするサイコパスです。彼女の悪辣さが際立つほど、ジョンの復讐の正当性が増していくという、見事なキャラクター造形。最後までジグソウと渡り合うその知能と悪意は、観る者に強烈な不快感と恐怖を与えます。
シーン1: 偽りの希望と絶望の底
ジョンがメキシコでの「手術」を終え、セシリアたちに感謝の言葉を述べるシーン。彼の目には涙が浮かび、声は震え、心からの安堵と希望が満ち溢れています。我々ファンは、この瞬間、シリーズを通して初めて見る「救われたジョン・クレイマー」の姿に、思わずもらい泣きしそうになるでしょう。しかし、そのすべてが偽りだったと知った時の彼の表情の変化は、まさに圧巻。感謝を込めて贈ったプレゼント(初代『ソウ』に繋がる設計図が描かれたボトル!)をゴミ箱から拾い上げる彼の背中からは、言葉にならないほどの怒りと悲しみが伝わってきます。この天国から地獄への転落こそが、本作のすべての原動力。観客はここで完全にジョン・クレイマーに感情移入し、彼の復讐の旅路を共にする覚悟を決めるのです。このシーンがあるからこそ、『ソウX』はただのゴア映画ではなく、重厚な人間ドラマとして成立している。神シーンと断言します。
シーン2: “脳手術”ゲームの狂気と因果応報
詐欺グループの一員、マテオに課せられたゲームは、シリーズの歴史に残るほどの衝撃でした。彼は偽の脳外科医としてジョンを騙した罪を償うため、自らの頭蓋骨を開き、脳の一部を摘出しなければなりません。麻酔なしでドリルが頭に突き立てられ、肉が焼け、骨が砕ける音。そして、震える手で自身の脳を掴み出す様は、もはや直視困難なレベルの地獄絵図です。しかし、このゲームの真髄はその残酷さだけではありません。「お前が他人に施した偽りの手術を、今度は自分自身で本物としてやってみせろ」という、完璧な因果応報の構図。ジグソウの哲学である「自らの罪と向き合い、生きるための犠牲を払う」というテーマが、これ以上ないほどダイレクトに表現されています。彼の苦悶の表情は、彼が弄んできた患者たちの痛みを何倍にもして観客に突きつけ、強烈なカタルシスを生み出しています。
シーン3: 逆転、また逆転の終盤劇
物語の終盤、セシリアは一瞬の隙を突いてジョンとアマンダを拘束。さらに、同じく詐欺の被害者を装っていたパーカーも彼女の仲間だったことが判明し、ジョンは絶体絶命のピンチに陥ります。ここでセシリアは、ジョンと、彼が心を通わせていた現地の少年カルロスを血のシャワーを浴びせるトラップにかけ、高笑いします。しかし、これも全てジョンの計算のうちでした。実は、この部屋全体が「最後のゲーム」の舞台だったのです。パーカーとセシリアが金を奪って出口に向かった瞬間、部屋は封鎖され、二人は致死性のガスが噴出する密室に閉じ込められます。ジョンは常に二手三手先を読んでいた。この鮮やかな逆転劇は、まさに『ソウ』シリーズの真骨頂! 悪党たちが自らの欲によって破滅していく様は爽快で、思わずガッツポーズしてしまいました。ジョンとアマンダが、救い出したカルロスと共に朝日の中を去っていくラストは、シリーズで最も美しいエンディングかもしれません。
ポイント1: 主人公として描かれる「人間ジョン・クレイマー」
『ソウX』最大の魅力は、なんといってもジョン・クレイマーを完全な主人公として描いた点にあります。これまでの作品では、彼はどこか神格化された存在であり、ゲームマスターとしての側面が強調されていました。しかし本作では、病に苦しみ、希望にすがり、裏切りに涙する「一人の人間」としての彼がいます。だからこそ、彼の怒りや復讐には正当性が生まれ、観客は彼の側に立って物語を体験することができるのです。ビリー人形を修理する姿や、アマンダとの会話で見せる優しさなど、彼の人間的な側面が描かれるたびに、このキャラクターの奥深さに改めて魅了されます。これは殺人鬼の物語ではなく、歪んだ形でしか正義を執行できなくなった、悲しい男の物語なのです。
ポイント2: 原点回帰の痛々しいアナログトラップ
近年のシリーズでやや複雑化・大規模化していたトラップが、本作では初期作を彷彿とさせるシンプルかつ痛々しいものに回帰しています。ワイヤーで指を一本ずつ切断するゲーム、放射線と骨を砕くゲーム、そして自らの脳を摘出するゲーム…。CGに頼らない、物理的な痛みが伝わってくるようなアナログ感満載のトラップは、観る者の想像力を掻き立て、内臓を抉るような不快感と恐怖を与えます。それはまさに、ファンが『ソウ』に求めていた原点の感覚。ギミックの巧妙さよりも、被験者が「生きるために、自らの肉体をどれだけ犠牲にできるか」という根源的な問いを突きつける、哲学的なデザインが光っています。
ポイント3: アマンダとの歪んだ師弟愛の深化
ジョンとアマンダ、この二人の関係性も本作の見どころです。まだ師弟関係が始まったばかりの、どこかぎこちなくも強い絆で結ばれた二人の姿は非常に貴重。ジョンはアマンダに後継者としての哲学を教え込み、アマンダはジョンの人間的な苦悩に寄り添おうとします。特に、ゲームの準備中に交わされる何気ない会話や、ジョンがアマンダを気遣うシーンは、殺伐とした物語の中のオアシスのよう。しかし、その関係は健全なものではなく、共依存にも似た危うさを孕んでいます。この時期に築かれた二人の関係が、後のシリーズでどのような悲劇的な結末を迎えるかを知っているファンにとっては、彼らのやり取り一つ一つが切なく、愛おしく感じられるはずです。
Q1: この作品は誰におすすめ?
A: もちろん、全ての『ソウ』シリーズファンに観てほしい傑作です!特に、初期の『1』『2』の雰囲気が好きだった方、そして何よりもジョン・クレイマーというキャラクターを深く愛している方には絶対に刺さります。彼の人間性、哲学、そして悲しみがこれでもかと描かれているので、シリーズへの理解が一段と深まるでしょう。グロテスクな描写が苦手でなければ、シリーズ未見の方でも「一人の男の復讐劇」として楽しめる、独立した物語としての完成度も高いです。
Q2: この作品が過去作と違う点は?
A: 最大の違いは、やはりジョン・クレイマーが完全な「主人公」であり、彼の視点で物語が進行する点です。観客は彼の感情の起伏を共に体験し、彼の行動を応援することになります。また、時系列が『1』と『2』の間という、過去に遡った物語であることも大きな特徴。これにより、後のシリーズで描かれたキャラクターたちの「前日譚」が明らかになり、物語全体に新たな深みを与えています。シリーズのお約束であるどんでん返しは健在ですが、後味はシリーズ中で最も爽快かもしれません。
Q3: 続編はある?
A: あります!本作の全世界的な大ヒットを受け、すでに『ソウ11』の製作が正式に発表されています。公開予定は2025年9月26日(米国)。本作のラスト、ポストクレジットシーンでマーク・ホフマン刑事がサプライズ登場し、ジョンと共に詐欺の片棒を担いだヘンリーにゲームを仕掛ける場面で終わったことから、次回作がどのような時系列で、誰の物語を描くのか、ファンの期待は最高潮に達しています。ジョンやアマンダの物語がまだ描かれるのか、それとも新たな展開が待つのか、今から楽しみでなりません!
用語集
作品を理解するための用語集
- ジグソウ
- 本名ジョン・クレイマー。命の価値を軽んじる者に「ゲーム」と称する試練を課す人物。残酷なトラップで被験者に生の尊さを問いかける。
- ゲーム
- ジグソウが被験者に課す死の試練。生き残るため、肉体的・精神的な苦痛を伴う選択を強いるトラップが仕掛けられる。
- ビリー人形
- ジグソウが被験者との接触に使う不気味な腹話術人形。三輪車に乗って現れ、ゲームのルールを録音された声で伝える。
- アマンダ・ヤング
- ジグソウのゲームから生還した数少ない生存者。後に彼の思想に傾倒し、後継者としてゲームの実行を手伝うようになる。
- セシリア・ペダーソン
- 末期がん患者を騙す詐欺グループのリーダー。偽の特効薬を信じたジョン・クレイマー(ジグソウ)の新たな標的となる。
- 逆トラバサミ
- シリーズを象徴するトラップ。制限時間内に解除しないと、装着者の顎を強制的に引き裂いてしまう装置で、アマンダが被験者となった。

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