📝 この記事のポイント
- 久々に会った友人が激やせしていて、「大丈夫? 」と聞いたらダイエット成功とのこと。
- 毎日レシピサイトとにらめっこしながら、鶏胸肉と野菜中心の生活を送っているという。
- 私はといえば、その友人の変化に感心しながら、昨日の晩ご飯に食べたコンビニのホットスナックを思い出していた。
久々に会った友人が激やせしていて、「大丈夫?
」と聞いたらダイエット成功とのこと。
聞けば、自炊を始めたのが大きいらしい。
毎日レシピサイトとにらめっこしながら、鶏胸肉と野菜中心の生活を送っているという。
私はといえば、その友人の変化に感心しながら、昨日の晩ご飯に食べたコンビニのホットスナックを思い出していた。
同棲中の彼と暮らし始めて一年。
外食が増えた分、体重は確実に増えている。
友人には「外食もいいけど、たまには家で作ると楽しいよ」と諭されたけれど、その「楽しい」がどうにも想像できない。
自炊、か。
世の中の皆さんは、どうやって毎日の献立を決めているのだろう。
冷蔵庫にあるものでパパッと作れてしまう人もいれば、週末に作り置きをして平日は温めるだけ、という人もいる。
テレビなんかを見ていると、手の込んだ料理をちゃちゃっと作ってしまうタレントさんとか、レシピ本を何冊も出している有名人とか、もう、尊敬しかない。
私はというと、料理が得意な方ではない。
むしろ苦手な部類に入るかもしれない。
卵焼きをうまく巻けた試しがないし、カレーを作るにもルーの箱の裏に書いてある手順を何度も確認してしまう。
玉ねぎを炒める時間一つとっても、「飴色になるまで」というのが、どの程度を指すのか未だによく分からない。
結果、焦げ付かせたり、生っぽいままだったりする。
そんな私にも、ここ一年で唯一、自信を持って「これなら作れる」と言えるようになった料理がある。
それは、リュウジさんのレシピで作る料理だ。
きっかけは、彼が「これ、美味しそうじゃない?
」とスマホで見せてきた、とあるレシピ動画だった。
豚こま肉と白菜を使った、簡単そうな鍋料理。
半信半疑で作り始めたものの、動画の通りに調味料を投入し、火にかけるだけで、あら不思議。
想像以上に美味しいものが出来上がったのだ。
それ以来、私はリュウジさんの動画を再生リストに入れ、彼が仕事から帰ってきて「今日何食べたい?
」と聞くたびに、「リュウジさんのあれ、どう?
」と提案するようになった。
彼のレシピは、手順が明確で、使う調味料もいたってシンプル。
そして何より、味が確実においしい。
失敗しようがない、と言っても過言ではない。
リュウジさんのレシピに頼るようになってから、スーパーでの買い物の仕方も少し変わった。
以前は、冷蔵庫の中身を確認せずに感覚で買い物かごに放り込んで、家に帰ってから「あれ、これ何に使おう?
」となることが常だった。
特にひどかったのが、半額シールにつられて買った鶏むね肉だ。
家に帰って冷蔵庫を開けたら、もう一つ同じ鶏むね肉が鎮座していた時の絶望感と言ったら。
結局、その日の晩ご飯は鶏むね肉料理になったけれど、次の日もまた鶏むね肉料理になってしまい、彼から「鶏、飽きた」というクレームが入った。
でも、リュウジさんのレシピがあれば、その半額鶏むね肉も美味しく調理できる。
いや、むしろ積極的に鶏むね肉を買い求めるようになった。
安いし、ヘルシーだし、リュウジさんならきっと最高の料理にしてくれる。
そんな信頼感が、いつの間にか私の中に芽生えていた。
ただ、そういう万能感にも限度というものがある。
ある日、スーパーの鮮魚コーナーで、妙に新鮮に見えるサバの切り身が目についた。
半額。
しかも脂が乗っていそうなテリ。
これはもう、買うしかないだろう。
衝動的にカゴに入れたものの、家に帰って冷蔵庫を開け、サバと数秒にらめっこしてから、はたと気づく。
サバ料理のレパートリー、私にはない。
味噌煮?
塩焼き?
どっちもハードルが高い。
リュウジさんの動画を検索してみるも、その日の気分に合うサバ料理は見つからず。
結局、サバは冷凍庫の奥でしばらく眠ることになった。
数週間後、どうにかリュウジさんの「サバの竜田揚げ」のレシピを見つけて消化したけれど、衣をつける作業に四苦八苦。
キッチンは油でベタベタになり、彼には「お店で食べた方が安いし美味しかったんじゃない?
」と言われた。
まったくもって、その通りである。
それでも、スーパーでの衝動買いは止まらない。
先日も、普段はあまり買わないような、妙に立派なアスパラガスが目に飛び込んできた。
太くてシャキッとしていて、どう見ても新鮮。
その時、頭の中をよぎったのは、以前リュウジさんが動画で紹介していた「アスパラの肉巻き」だった。
「これなら作れる!
」と確信し、アスパラガスと豚バラ肉をカゴへ。
家に帰ってすぐに動画を再生し、いざ調理開始。
が、いざ作ってみると、アスパラガスが太すぎて、豚バラ肉一枚ではどうにも巻ききれない。
無理やり巻こうとすると、肉が破れたり、アスパラが飛び出したり。
結局、豚バラ肉を二枚重ねて巻いてみたものの、今度は肉が多すぎて、アスパラの風味が行方不明。
味付けはリュウジさんのレシピ通りだから美味しいんだけど、なんだか「これじゃない感」が半端なかった。
余ったアスパラは、翌日、卵と炒めて消費した。
そんなふうに、たまには失敗したり、思惑が外れたりすることもある。
でも、その失敗だって、リュウジさんのレシピがあったからこそ、どうにかリカバリーできているのだ。
もしリュウジさんの存在を知らなかったら、私はきっと、今頃もっとひどい食生活を送っていたに違いない。
スーパーで半額の肉や魚を見つけても、レパートリーがないからと尻込みし、結局は総菜コーナーへ直行。
あるいは、家に帰ってから「やっぱり買えばよかった」と後悔し、そのまま食パンにマヨネーズを塗って済ませていたかもしれない。
そう思うと、リュウジさんはもはや、私の食生活を支えるインフラのような存在だ。
最近、彼と冗談めかして話すことがある。
「もし、将来、私たちが結婚して、子どもができて、その子がまた子どもを産んで、孫ができたとするでしょう?
」私が話を切り出すと、彼はいつも「うんうん」と相槌を打ってくれる。
「その孫がさ、おばあちゃんのご飯が食べたい、って言ったとするじゃん。
そしたら私は、スマホを取り出して、リュウジさんの動画を見せるわけよ。
『これがおばあちゃんの味だよ』って」。
彼がクスッと笑う。
「つまりさ、私の孫は、私が死んだ後もリュウジを検索すれば、私の味が食べられるってことだよね」。
昔、おばあちゃんが作ってくれた煮物とか、お母さんがよく作ってくれたカレーとか、そういう「実家の味」って、誰にでもあるものだと思う。
でも、私の場合は、それが「おふくろ≒リュウジ の味」になるのかもしれない。
もちろん、まだ私自身も「おふくろ」になったわけじゃないし、孫ができるのは、いったいいつになることやら。
それに、リュウジさんがずっとレシピを公開し続けてくれる保証もないし、私がずっとリュウジさんのレシピに頼り続ける保証もない。
料理の腕が上達して、いつか自分だけの「おふくろの味」を生み出す日が来るかもしれない。
いや、来ないかもしれない。
でも、まあ、それでいいか、と思っている。
今はまだ、同棲中の彼と休日は外食を楽しんで、平日の夜はリュウジさんの動画を見ながら「これ、美味しいね」と言い合う日々。
スーパーで半額の鶏むね肉を見つけたら、リュウジさんの新しいレシピを探してみる。
衝動買いしたアスパラガスが太すぎてうまく巻けなくても、それはそれで美味しい失敗談になる。
そんな、ちょっと不器用で、ちょっとズボラだけど、確実に美味しいものが食べられる毎日は、案外悪くないのだ。
少なくとも、友人のように激やせする心配は、当分なさそうである。
💡 このエッセイは、Togetterの話題から着想を得て、2026年の視点で書かれた創作記事です。
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