📝 この記事のポイント
- たった4文字のチャットに、心がもやもやしたことはないだろうか? 「了解です」。
- そこに自分の気持ちや、相手への配慮がどれだけ込められているだろう。
- ある夜、私は会社のチャットでこの言葉を打ち込みながら、指を止めた。
たった4文字のチャットに、心がもやもやしたことはないだろうか? 「了解です」。もちろん、意味は伝わる。でも、それだけ。そこに自分の気持ちや、相手への配慮がどれだけ込められているだろう。ある夜、私は会社のチャットでこの言葉を打ち込みながら、指を止めた。「これで本当に伝わる?」この疑問が、私の言葉との向き合い方を変えるきっかけだった。
以前の私は、言葉を「情報を伝える道具」としか思っていなかった。効率重視。早く、正確に。それが一番だと信じて疑わなかった。でも、なぜか人間関係でちょっとしたすれ違いを感じたり、SNSの投稿が思ったより誰にも届かなかったり。情報だけでは伝わらない「何か」があるのは薄々気づいていたけれど、それが何なのかはわからなかった。
そんな私の言葉に対する考え方を、根底から覆してくれたのが、俵万智さんの『生きる言葉』だった。この一冊との出会いが、私の日常をじんわり、でも確実に変えていったのだ。
最初の印象
※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます
生きる言葉 (新潮新書 1083)
この本を手に取るきっかけは、偶然見かけた新聞広告だった。「SNS時代の言葉の力」という帯の文句に惹かれたのを覚えている。正直、歌人の方の本と聞いて、最初は「文学はちょっと苦手だし、私には難しいかもな」なんて思っていた。でも、調べてみると「和歌に興味がない人でも面白かった」というレビューを見つけて、ちょっと安心して購入ボタンを押したんだ。
届いたのは、意外にも薄い新書。表紙の俵さんの写真が、どこか親しみやすさを感じさせた。読み始めてすぐ、最初の「はじめに」でいきなり心をつかまれたよ。「スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある」。まさに、私が日頃感じていたモヤモヤを見透かされているような気がしたんだ。デジタルネイティブ世代の私にとって、言葉を育む過程を振り返る内容は、新鮮な気づきばかりだった。
実際に使ってみて
読み進めるうちに、日常の言葉遣いに対する意識がガラリと変わっていった。特に印象的だったのは、SNSでの発信に対するヒントだね。以前の私は、例えばランチの投稿をする時も「今日のランチは美味しかった。」と、ただ事実を伝えるだけだった。でも『生きる言葉』を読んでからは、「情報」だけでなく「感情」や「背景」を付け加えるようになったんだ。
試しに、「今日のランチ、久しぶりに会った友人と食べたパスタが本当に美味しくて、幸せな気持ちになった」と書いてみた。すると、いつもよりたくさんの「いいね」が来たんだ。情報量は増えたけど、決して冗長じゃなかった。むしろ、私の感情が伝わったことで、共感が生まれたんだと思う。
職場のチャットもそうだ。以前なら「了解です」で済ませていたところを、少しだけ丁寧に、「ありがとうございます、一緒に進められて嬉しいです」と付け加えるようになった。すると、相手からの返信も、絵文字が増えたり、より温かい言葉になったり。たった一言付け加えるだけで、こんなにコミュニケーションが変わるなんて、正直驚いたよ。プロジェクトの進捗報告でも、単に事実を箇条書きにするだけでなく、「これを達成するためにこんな工夫をしました」「ここが遅れてしまっていますが、こんな方法で挽回します」と、読み手の気持ちを想像して加筆するようになった。無機質な報告書が、少しだけ血の通ったものになった気がしたんだ。
良かったところ
この本を読んで、本当に良かったと思う点がいくつかあるよ。
- 「伝わる言葉」の視点が手に入ったこと
言葉って、ただ情報だけを伝えればいいわけじゃない。相手の表情が見えないチャットやSNSだからこそ、どんな言葉を選べば、自分の意図や感情が正しく、そしてポジティブに伝わるのか。その視点を教えてくれたのは大きかった。
- 自分の言葉遣いを見直すきっかけになったこと
普段何気なく使っている言葉の中に、誤解を生んだり、冷たい印象を与えたりする可能性があると気づかされた。例えば「〜だと思う」という曖昧な表現や、句読点の使い方一つで、受け取る印象がこんなに変わるんだって。意識的に言葉を選ぶことで、一つ一つの言葉にかける時間と丁寧さが、以前とは比べ物にならないくらい増えたよ。
- 文章作成への苦手意識が和らいだこと
私はもともと、文章を書くのがあまり得意ではなかったんだけど、この本は具体的な例をたくさん挙げてくれているから、とても実践的だった。文学書というよりも、「日常のコミュニケーションをより豊かにするためのヒント集」という感覚で読めたんだ。
気になったところ
もちろん、どんな本にも得意不得意があるよね。
- 即効性があるわけではないこと
読んで「よし、明日から言葉のプロになるぞ!」ってなっても、すぐに劇的な変化が起きるわけじゃない。日々の意識と、試行錯誤の積み重ねがやっぱり必要だ。でも、その過程も楽しめるようになったのは、この本のおかげだと思う。
- ビジネススキルとは少し違うこと
もし、「超実践的なビジネスコミュニケーション術」みたいなものを期待しているなら、少し違うと感じるかもしれない。この本が教えてくれるのは、もっと本質的な、日常の中での「言葉との向き合い方」だからね。もちろん、それが結果的にビジネスにも活かせるんだけど、ゴリゴリのテクニック集ではないんだ。
どんな人に向いてる?
こんな人に、ぜひおすすめしたいな。
- 仕事のチャットやSNSなど、デジタルでのコミュニケーションにモヤモヤしている人
- 「言葉が情報になりがち」と自分で感じている人
- 人間関係で「なんか上手くいかないな」と感じている人
- 難しい本は苦手だけど、言葉の力についてもっと知りたいと思っている人
歌人の本だからと構えずに、気軽に手に取ってみてほしい。きっと、言葉に対するあなたの見方が変わるはずだよ。
使い続けて数ヶ月の今
『生きる言葉』を読み始めてから数ヶ月が経った今、私の日常は確実に良い方向へと向かっている。以前は「言葉を選ぶ」という行為が、どこか面倒だったり、構えたりするものだった。でも今は、相手にどう伝わるかを想像しながら言葉を紡ぐ時間が、むしろ楽しいと感じるようになったんだ。
職場の同僚との連携はスムーズになり、SNSの投稿には温かいコメントが増えた。それは決して派手な変化じゃないけれど、確かな心の通い合いを感じるようになった証拠だと思う。言葉一つで、こんなにも世界が変わるなんて、想像もしていなかったよ。この本は、私にとってただの「読書体験」じゃなくて、言葉という一生の「相棒」を育てるための指南書になったんだ。
言葉は、私たちの心を映し出す鏡。そして、誰かの心に光を灯すこともできる。これからも、この本で得た気づきを大切にしながら、自分らしい「伝わる言葉」を紡いでいきたい。もし、あなたが今、言葉との向き合い方に悩んでいるなら、ぜひ一度、この『生きる言葉』を手に取ってみてほしい。きっと、あなた自身の言葉が、もっと輝き出すはずだから。
生きる言葉 (新潮新書 1083)
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