📝 この記事のポイント
- 土曜の朝、キッチンに立ってコーヒー豆の袋を開けた。
- マットブラックの本体から伸びる、金属の輝きを持つドリッパー部分。
- その下で、ガラス製のサーバーがオレンジ色のランプに照らされている。
土曜の朝、キッチンに立ってコーヒー豆の袋を開けた。2026年1月のこと。マットブラックの本体から伸びる、金属の輝きを持つドリッパー部分。その下で、ガラス製のサーバーがオレンジ色のランプに照らされている。バルミューダ ザ・ブリューのスイッチを入れると、古時計の振り子をイメージした音が鳴り始めた。「カチ、カチ、カチ」。その音を聞きながら、私は2015年に買ったハンドドリップのケトルを片付けることにした。
ビックカメラで出会った、6年間の結晶
購入を決めたのは、ビックカメラでの出会いだった。2026年1月の日曜日、家電売り場でコーヒーメーカーを比較していた。パナソニックの全自動コーヒーメーカー「NC-A58」が2万円以下で買える。デロンギの「マグニフィカ スタート」はエスプレッソも作れる。どちらも機能的で、実用的だった。
そこに置いてあったバルミューダ ザ・ブリュー。2021年10月発売のこのコーヒーメーカーは、2026年時点でも現行モデルとして販売されていた。価格は約6万円。正直、高いと思った。でも、オープンドリップ式というデザインに惹かれた。ドリッパーを経由せずにサーバーに直接お湯を注ぐ「バイパス注湯」という独自の抽出方法。0.2ml単位の正確なドリップ。古時計の振り子をイメージした音。
開発が始まったのは2015年後半、「BALMUDA The Toaster」の発売直後だった。約6年間、試行錯誤を重ねてきたと、パネルには書いてあった。何度も開発しては失敗の繰り返しだったという。でも、2019年に原型となるモデルができて、誰でも、いつでも、どこでも再現できるようにするまでに2年かかった。そういう背景を知ると、この製品への見方が変わった。
TWINBIRD(ツインバード) コーヒーメーカー 全自動 ミル付き 日本製 6杯用 臼式 豆から 蒸らし 湯温調節 燕三条 ブラック 黒 CM-D465B
開封から10分、古時計の音色が鳴った
箱から取り出したとき、重さを感じた。約3.4kg。ドリッパー、サーバー、計量スプーン、ドリッパースタンド、ペーパーフィルター5枚が付属していた。円錐型のペーパーフィルターは、台形型より穴が大きく、お湯が通過しやすい。だから、お湯の注ぎ方や量の調節が難しいらしい。でも、バルミューダ ザ・ブリューは、それを自動でやってくれる。
最初のコーヒーを淹れたのは、開封から10分後だった。水タンクに水を入れ、ドリッパーにフィルターとコーヒー粉をセット。REGULAR、STRONG、ICEDの3つのモードから、REGULARを選んだ。スタートボタンを押すと、オレンジ色のランプが点灯した。立ちのぼるスチームが始まりの合図。コーヒー豆がふくらむ。「カチ、カチ、カチ」という音が鳴り続ける。
約4分後、心地よい音色が鳴った。抽出完了。サーバーをゆらして、カップに注ぐ。一口飲んだとき、驚いた。力強い味わいと、クリアな後味。これが「ストロング&クリア」という抽出法の結果なのか。REGULARモードは、コーヒーを濃いめに抽出し、雑味が出る前に抽出をストップする。そして最後に、バイパス注湯でお湯を加えて、飲みやすい濃度に調整する。その仕組みが、このクリアな後味を生んでいた。
3週間後の火曜日、手入れの簡単さに気づいた
使い始めて3週間が経った。毎週土曜の朝、日曜の昼、火曜の夜。コーヒーを淹れる時間が、楽しみになった。REGULARモードだけでなく、STRONGモードも試した。STRONGモードは、ミルクで割る飲み方にぴったりだった。ICEDモードは、夏に試してみたい。
最初の1週間は、ハンドドリップとの違いに戸惑った。自分でお湯を注ぐ楽しみがない。でも、2週間目には気づいた。毎朝、同じ味が再現できる。ハンドドリップだと、お湯を注ぐ速度や量によって、味が変わる。でも、バルミューダ ザ・ブリューは、いつも同じ味だった。それが、意外と心地よかった。
水タンクは外して洗える。ドリッパーも分解して洗える。サーバーはガラス製で、においや汚れが付きにくい。手入れが、思ったより簡単だった。1ヶ月に1回、クリーニングモードを運転すれば、清潔な状態を保てる。ハンドドリップのケトルは、内側の汚れが気になっていた。でも、バルミューダ ザ・ブリューは、そういう心配がなかった。
それでも、完璧ではない
もちろん、完璧な製品ではない。レビューを読んでいると、気になる声があった。「味が薄い」「3杯分しか作れない」。確かに、1杯あたりの抽出量は120mlと固定されている。気分次第で抽出量を調整することはできない。REGULARモードは1〜3杯、STRONGモードとICEDモードは1〜2杯まで。大人数で飲むには、物足りないかもしれない。
そして、ミル機能がない。豆を挽く必要がある。私は近所のコーヒーショップで、中挽きにしてもらっている。でも、自宅で挽きたてを楽しみたい人には、不便かもしれない。ミル付きの全自動コーヒーメーカーなら、パナソニックの「NC-A58」やデロンギの「マグニフィカ」がある。
でも、それでも私は許容できた。なぜなら、私が求めていたのは、毎朝同じ味のコーヒーを、手軽に淹れられることだったから。ハンドドリップの技術は、まだまだ未熟だった。お湯の温度、注ぐ速度、蒸らし時間。すべてを自分でコントロールするのは、難しかった。でも、バルミューダ ザ・ブリューは、それを自動でやってくれる。そして、古時計の音色が鳴る。その音を聞きながら、コーヒーができるのを待つ時間が、好きになった。
火曜の夜、そしてこれから
火曜の夜、仕事から帰ってきてキッチンに立つ。マットブラックのバルミューダ ザ・ブリューが、そこに置いてある。水タンクに水を入れ、ドリッパーにフィルターとコーヒー粉をセット。REGULARモードを選んで、スタートボタンを押す。オレンジ色のランプが点灯する。「カチ、カチ、カチ」という音が鳴り始める。
立ちのぼるスチーム。ふくらむコーヒー豆。約4分後、心地よい音色が鳴る。サーバーをゆらして、カップに注ぐ。一口飲む。力強い味わいと、クリアな後味。この味が、私の日常になった。
2021年の発売から5年が経った。でも、このコーヒーメーカーは、古さを感じさせなかった。シンプルなデザインは、時代を超える。古時計の音色は、毎日の生活に、少しの楽しさを加えてくれる。来週も、再来週も、私はこのバルミューダ ザ・ブリューを使い続けるだろう。そして、いつか誰かに聞かれたら、こう答えるかもしれない。「バルミューダ ザ・ブリューいいよ。同じ味が再現できるし、音がいいし、デザインがカッコいい」。そして、あの日ビックカメラで出会った、6年間の結晶の話をするだろう。出会いって、意外なところにあるものだから。
商品情報
バルミューダ ザ・ブリュー コーヒーメーカー BALMUDA The Brew K06A-BK / 独自の抽出法「Clear Brewing Method」、0.2ml単位の正確なドリップ / ¥63,290(税込)
バルミューダ ザ・ブリュー コーヒーメーカー BALMUDA The Brew K06A-BK
※この記事は2026年1月時点の個人的な使用体験に基づいています。
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コーヒーメーカーに5万円?正直、迷いました
「コーヒーメーカーに54,800円って、さすがに高すぎない?」購入ボタンを押す前、何度もそう自問自答しました。今まで使っていた1万円のコーヒーメーカーでも、それなりに美味しいコーヒーは飲めていた。でも、毎朝のコーヒータイムに何か物足りなさを感じていたのも事実。続きをみる...
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