📝 この記事のポイント
- この本を手に取る前、私には何の覚悟もなかった。
- 書店の平積みの棚で、鉛筆画の表紙が妙に目を引いて。
- 「また、あの人の新作か」くらいの軽い気持ちだった。
この本を手に取る前、私には何の覚悟もなかった。ただ、ずっと気になっていたんだ。書店の平積みの棚で、鉛筆画の表紙が妙に目を引いて。「また、あの人の新作か」くらいの軽い気持ちだった。まさか、自分の心臓を鷲掴みにされ、何日も寝食を忘れるほどの体験になるなんて、想像すらしていなかったよ。読み進めるうちに、それは物語なんかじゃなくて、剥き出しの真実がそこにあった。ページをめくる手が震え、読み終わった時には、自分が自分じゃないみたいだった。私の本棚にこの本が加わってから、見える景色が少し変わってしまった気がする。
最初の印象
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瞬きの音(2) (ビッグコミックス)
書店で偶然見かけた時、最初に惹かれたのは、あの独特のタッチで描かれた表紙だった。どこか不安定で、でも目を離せない。帯に書かれた「回顧録」という言葉が、いつもと違う空気をまとっているように感じたんだ。いつもの、あの突き刺さるような世界観がまた来るのか、と身構えていたんだけど、同時に「回顧録」という言葉に、何か作家の個人的な、もっと深い部分に触れられる予感がした。レビューで「辛い」とか「心臓を鷲掴みにされる」みたいな言葉が並んでいるのを見て、少しは身構えたつもりだったんだけど、正直甘かったな、って今は思う。
実際に読んでみて
読み始めたら最後、もう止まらなかった。あっという間に最後のページまで辿り着いて、気づけば2時間くらい経っていたかな。読み終わった瞬間、「これは、漫画なのか?」って自問自答したのを覚えている。物語としてではなく、もっと個人的な、誰かの記憶の奥底を覗き見ているような感覚。
読了後、本当に大変だったのはそこからだった。3日間、他の本が全く読めなくなったんだ。頭の中は、この本の残像と、それに呼び起こされた私自身の過去の記憶でいっぱい。もう一度読んでみようと、パラパラとページをめくってみたけれど、かえって苦しくなってしまって。結局、読まないという選択肢もなかった。読まないと、何かが未消化のまま残ってしまう気がしたんだ。その間、家族に「顔色悪いよ」って心配されたくらいだから、相当だったと思う。
良かったところ
魂を揺さぶる自伝的告白
これは単なる漫画作品じゃない。作家自身の生々しい告白であり、それが芸術として昇華されている。読むことで、自分自身の過去と嫌でも向き合わされる。そのプロセスは苦しいけれど、読後には何かしらの変化を自分の中に感じられるはず。
五感を刺激する表現技法
セリフが極端に少ないのに、鉛筆画のタッチやキャラクターの表情、背景から伝わってくる情報量が半端じゃない。文字で語られない分、感情がダイレクトに心に流れ込んでくるような感覚だよ。まるで、作家の記憶の中に自分も引きずり込まれるみたいだった。
読書の概念を変える体験
エンターテイメントとして消費する「物語」というより、作者と読者の間にある「対話」のような作品だった。これまでの漫画の概念が、いい意味でぶち壊された。読書とは何か、文学とは何か、そういった問いを投げかけられるような、非常に示唆に富んだ体験になったよ。
気になったところ
精神的な負荷が大きい
読むのが本当に辛い。過去のトラウマや、見たくなかった自分自身の感情が容赦なく蘇ってくるから、メンタルが不安定な時には読まない方がいいかもしれない。読み終わっても、数日間は余韻に引きずられる覚悟が必要だよ。
万人向けではない
誰にでもおすすめできる作品ではない、というのが正直な感想だね。エンターテイメントとして楽しみたい人には向かないし、心の準備なしに読むと、かえって心が疲弊してしまう可能性もある。
どんな人に向いてる?
この作品は、自分の過去と真正面から向き合う勇気がある人にこそ読んでほしい。
表面的な物語だけでは満足できない、もっと深い読書体験を求めている人。
そして、表現者としての作家の根源に触れたい、という好奇心旺盛な人。
ただし、繰り返しになるけれど、心の準備はしっかりしてね。
読み続けて1週間の今
あの衝撃から1週間経った今でも、この作品が私に与えた影響は色濃く残っているよ。本を開く前に一度深呼吸するようになったし、ふとした瞬間に、自分の幼い頃の記憶が蘇ることが増えた。普段の生活の中で、見過ごしていた感情や出来事について、深く考えるようになった気がする。完全に消化できたわけじゃない。むしろ、まだ私の心の中で、この作品が「音」を立て続けているような感覚だ。
まとめ
『瞬きの音』は、確かに読むのが辛い作品だった。私の内側にある、見たくなかった部分を容赦なくえぐり出すような体験だった。でも、それでも、私はこの作品を「読むべき」だと強く思う。読む前と後では、確実に何かが変わる。自分の過去と向き合い、内省するきっかけをくれる、稀有な作品だから。あなたがもし、心の準備ができているなら、ぜひこの「音」に耳を傾けてみてほしい。
瞬きの音(2) (ビッグコミックス)
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