📝 この記事のポイント
- 都会の喧騒に紛れて、自分を見失いかけていた頃の話をしようと思う。
- 毎日同じ時間に満員電車に揺られ、同じオフィスでパソコンと向き合う。
- 誰かの夢を語るアキの眩しさに、少しだけ嫉妬してしまった自分。
都会の喧騒に紛れて、自分を見失いかけていた頃の話をしようと思う。毎日同じ時間に満員電車に揺られ、同じオフィスでパソコンと向き合う。誰かの夢を語るアキの眩しさに、少しだけ嫉妬してしまった自分。情熱なんて、とっくにどこかに置き忘れてきたような気がしていたんだ。そんな僕に、上司がふとくれた言葉が心に刺さった。「たまには、自分の心と向き合う時間も必要だ」。その言葉がきっかけだったのか、アキに電話をかけたあの夜から、僕の日常は少しずつ色を変え始めた。最初は漠然としていた「何かを表現したい」という気持ちが、ポッドキャストという形を見つけるまで、そう時間はかからなかった。
最初の印象
正直に言うと、最初は「ポッドキャストなんて、すごく難しいんじゃないか?」って思ってたんだ。特別な機材がいるだろうし、編集も専門知識が必要だろうし、何より、何を話せばいいのかも分からなかった。でも、アキが「スマホ一つでできるよ」って教えてくれて、色々なアプリやサービスがあることを知ったんだ。初めてポッドキャスト制作アプリの画面を開いた時、思っていたよりもシンプルな操作に驚いた。マイクに向かって話す僕の声が、ヘッドホン越しに返ってくる。その瞬間、「あ、これなら僕にもできるかも」って、少しだけ心が軽くなったのを覚えている。でも同時に、「本当に誰かが僕の声を聞いてくれるのかな」っていう、期待と不安が入り混じった、不思議な感覚だった。
実際に使ってみて
実際にポッドキャストを始めてみて、まず驚いたのは、話すことの難しさと面白さの両方だった。最初の収録はもう、酷いものだったよ。何を話そうか考えているうちに沈黙が長くなったり、どもってしまったり。まるで面接を受けているみたいに緊張して、全然自然な声が出なかったんだ。でも、何回か収録を重ねるうちに、少しずつ慣れてきた。テーマは、まず日常の中で感じた小さなこと、心に留まった出来事から始めることにした。「今日の通勤電車の窓から見た空のこと」とか、「公園で見た子供たちの笑顔」とかね。
収録が終わると、今度は編集作業。これがまた地味なんだけど、自分の声を切り貼りして、不要な部分をカットしたり、簡単なBGMを入れたりしていくと、まるで料理を作っているような感覚になる。一つ一つの「音の欠片」を丁寧に選び、繋ぎ合わせていくうちに、僕の「記憶の輪郭」が少しずつ形になっていくのが分かったんだ。そして、初めて公開ボタンを押した時は、心臓がバクバクしたよ。僕の、ただの独り言みたいなものが、世界中の誰かの耳に届く可能性があるなんて。
良かったところ
ポッドキャストを始めて、本当に良かったなと思うことがいくつかあるんだ。
- 自分と深く向き合う時間が増えたこと
日常のささやかな出来事や、心に引っかかった感情を、どう言葉にしようかと考える。そのプロセスが、自分自身の内側を見つめ直すきっかけになったんだ。モヤモヤしていた感情が、言葉にすることでスッキリ整理されていく。まるで、自分だけのセラピーを受けているみたいだったよ。
- 日常の見え方が変わったこと
「これはポッドキャストのネタになるかも」って思うようになってから、これまで見過ごしていた風景や音、人々の会話に気づくようになった。通勤電車の中から見える空の色、公園で聞こえる子供たちの笑い声、喫茶店で耳にするBGM。それらすべてが、僕にとっては新しい「音の欠片」として輝いて見え始めたんだ。
- 誰かと繋がれる可能性を感じられたこと
最初は自己満足でいいと思ってたけど、やっぱり「誰か一人でも、僕の言葉で救われる人がいるなら」っていうアキの言葉が頭から離れなかった。直接的なコメントがなくても、再生数が少しずつ増えていくのを見ると、「ああ、僕の声が、誰かの耳に届いているのかもしれない」って思える。それが、何よりも僕の背中を押してくれるんだ。
気になったところ
もちろん、良いことばかりじゃない。いくつか「うーん」と思うこともあったよ。
- 継続することの難しさ
ネタ探し、収録、編集、そして公開。この一連の作業を定期的に続けるのは、結構エネルギーがいるんだ。特に忙しい日なんかは、「今日はもういいかな」って諦めそうになる瞬間もあった。でも、一度休むとずるずるいっちゃいそうで、なんとか踏ん張ってるよ。
- 技術的なハードルの高さ
手軽に始められるとはいえ、やっぱり音質をもっと良くしたいとか、もっとプロっぽい編集をしたいとか、欲が出てくるんだ。でも、そのためには色々な知識を学んだり、新しい機材を試したりする必要がある。そこは、まだまだ僕にとっての課題かな。
どんな人に向いてる?
僕の体験から言うと、ポッドキャストはこんな人におすすめしたいな。
- 日常の中に何か新しい刺激を見つけたい人
- 自分の考えや感情を整理する習慣が欲しい人
- 誰かに向けて、自分の言葉で何かを伝えたいけど、顔を出すのはちょっと…と思っている人
- 新しいことに挑戦して、自分を変えたいと少しでも思っている人
使い続けて数週間の今
ポッドキャストを始めて数週間、いや、もう数ヶ月が経とうとしている。僕は以前のように、日々のルーティンに埋もれてため息をつくばかりの人間ではなくなった。朝の通勤電車の中でも、窓の外を眺めながら「今日は何を話そうか」と考えるようになったし、公園で空を見上げながら、あの飛行機雲の先に自分の声が届くことを想像するようになったんだ。
最初は意味不明だった奇妙な文字列のように、僕自身の内側でくすぶっていた感情も、少しずつ形を成していくのを感じる。それは、僕が「音の欠片」を拾い集め、「記憶の輪郭」をなぞるように語り続けることで、ようやく見えてきた僕自身の輪郭なのかもしれない。
まとめ
ポッドキャストを始めたことは、僕にとって大きな転機だった。あの時、アキに電話をかけていなければ、上司の言葉がなければ、僕は今も灰色の日々を送っていたかもしれない。誰かに「聞いてもらう」ことよりも、僕自身が「語る」という行為を通じて、自分を取り戻し、日常に彩りを与えることができたんだ。僕の旅は、まだ始まったばかりだけど、この声がどこかの誰かに届くことを願って、これからもマイクに向かい続けようと思う。
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