📝 この記事のポイント
- 先日、街でふと目にした映画のポスターに目を奪われたんです。
- 豪華な役者陣と華やかな衣装に「おお、ついに映画化か!」とワクワクしました。
- 普段ならすぐに映画館へ足を運ぶところなんですが、今回はちょっと違う行動をとってみたんです。
先日、街でふと目にした映画のポスターに目を奪われたんです。『国宝』。豪華な役者陣と華やかな衣装に「おお、ついに映画化か!」とワクワクしました。普段ならすぐに映画館へ足を運ぶところなんですが、今回はちょっと違う行動をとってみたんです。ふと立ち寄った本屋さんで、文庫コーナーへ直行。吉田修一さんの『国宝』上下巻を見つけました。実は私、以前から「原作の方が断然面白い」とか、「映画を観るか、原作を先か」なんて議論をSNSで目にしていたんです。それで、今回はちょっと冒険してみようかなと。映画の前に、まずは原作を読んで、この壮大な物語の全貌を自分自身のペースでじっくり味わってみよう。そう決めて、上巻を手にレジへ向かいました。この選択が、まさかこんなにも私を夢中にさせるとは、その時はまだ知る由もありませんでした。
最初の印象
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家に帰って早速、吉田修一さんの『国宝 (上) 青春篇』を開きました。ページをめくるとすぐに目に飛び込んできたのは「1964年元旦、長崎は老舗料亭『花丸』」という冒頭。いきなり物語の世界に引き込まれるような、グッとくる導入でした。侠客たちの怒号や悲鳴が飛び交う中、生まれたばかりの立花喜久雄という少年。「この国の宝となる役者」。この一文が、まるで物語の深淵を覗き込むような感覚で、私の心を掴んで離しませんでした。正直、こんなにも冒頭から物語に没入できるとは予想していませんでした。これはきっと、すごい作品に出会ってしまったぞ、と直感しましたね。
実際に使ってみて
実際にこの『国宝』という物語の世界に足を踏み入れてみると、これがもう、想像をはるかに超える体験でした。最初の100ページを読み終える頃には、私はすっかり長崎の料亭『花丸』の世界にいました。喜久雄というキャラクターの生い立ちから、その「この世ならざる美貌」が彼の人生をどう動かしていくのか。任侠の世界と歌舞伎という、一見相容れないような二つの世界が、彼の人生を通して鮮やかに描かれていきます。特に印象的だったのは、喜久雄が初めて舞台に立つシーン。その臨場感あふれる描写は、まるで目の前でその光景が繰り広げられているかのようでした。「泥を被り、這いつくばっても執着する。役者とはプロとは」という、まさに執念と狂気、そして色気すら感じる世界に、私は完全に飲み込まれていきましたね。
良かったところ
この物語を読んでいて、本当に良かったなと思った点がいくつかあります。
- ページをめくる手が止まらない圧倒的な没入感
まず何より、物語の世界に吸い込まれるような感覚がすごかったです。週末に読み始めたら、約400ページもある上巻をあっという間に読破してしまいました。喜久雄の成長、挫折、そして栄光が、息もつかせぬ展開で描かれるので、「次どうなるの?」という好奇心が止まりませんでしたね。
- 人間ドラマの深みと登場人物の魅力
喜久雄と徳次という対照的な二人の関係性も、物語に深い奥行きを与えています。生い立ちも才能も異なる彼らが、「芸の道」という同じ場所で出会い、互いに影響し合う姿は、友情やライバル関係だけでは語り尽くせない複雑な魅力があります。脇を固める登場人物たちもそれぞれ個性的で、彼らが織りなす人間模様に引き込まれました。
- 時代背景を巧みに織り交ぜた壮大なスケール
単なる個人の成長物語としてだけでなく、1964年の東京オリンピック前後の日本の高度経済成長期という時代背景が、物語の土台としてしっかり描かれている点も素晴らしいです。芸能界の転換期の中で、喜久雄がどう生きるか。長崎から大阪、そして東京へと移動する彼の人生の軌跡が、日本の変化と重なり、物語に圧倒的なスケール感をもたらしていました。
気になったところ
もちろん、個人的に「もう少しこうだったらな」と感じた点もいくつかありました。
- じっくり読む時間が必要
物語の展開が壮絶で緻密なので、通勤中や休憩中のような隙間時間に少しずつ読むには、ちょっと物足りなさを感じました。没頭したい気持ちが強いので、まとまった時間を確保して一気に読み進めるのがベストだと感じましたね。
- 登場人物の多さと関係性の複雑さ
序盤は特に登場人物が多く、またその関係性も複雑に絡み合っているので、たまに「あれ、この人は誰だっけ?」と前のページに戻ってしまうことがありました。それだけ奥深い物語だということですが、物語の序盤で一気に頭に入れるのは少し大変かもしれません。
どんな人に向いてる?
では、この『国宝』という作品はどんな人におすすめできるでしょうか?
- 壮大なスケールで描かれる、骨太な人間ドラマに没頭したい人。
- 日本の高度経済成長期という時代背景や、歌舞伎・芸能界の裏側に興味がある人。
- 映画を観る前に、物語の隅々まで自分の想像力で味わいたい、原作派の人。
特に、深く掘り下げられた人物像や、人生の表と裏が鮮やかに描かれた物語が好きな人には、たまらない一冊だと思います。
使い続けて数週間の今
上巻を読み終えて数週間経った今でも、まだその余韻に浸っています。物語はまだ半分。喜久雄の人生はここからが本番だと知っているので、「その頂点に登りつめた先に、何が見えるんだろう?」と、下巻への期待が募るばかりです。上巻の最後は、本当にずるい構成で、すぐにでも続きを読みたくなるような展開でした。この作品を読んだことで、単に物語を楽しんだというだけでなく、何か自分自身の内面にも深く問いかけるような、そんな感覚を得ています。早く下巻を読んで、この壮大な物語の結末を見届けたいです。
吉田修一さんの『国宝』上巻は、私の予想をはるかに超える読書体験でした。一人の役者の人生を通して、時代と人間という普遍的なテーマを深く掘り下げたこの作品は、まさに「読む国宝」と言っても過言ではありません。映画を観る前に原作を読むという選択は、私にとって大正解でした。物語の深みや細部までを存分に味わい尽くせる、最高の没入感を提供してくれました。この感動をぜひ、あなたにも体験してほしいと心から思います。

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