📝 この記事のポイント
- 日曜の午後、コーヒーを淹れてソファに座り、私はこの本のページを繰っていた。
- 青緑色の表紙に大きく書かれた「拝米という病」という文字が、部屋の静けさの中で妙に重く感じられた。
- 元オーストラリア大使である山上信吾氏の言葉は、読み進めるほどに、私がこれまで当たり前だと思っていた日本の立ち位置を揺さぶり始めた。
日曜の午後、コーヒーを淹れてソファに座り、私はこの本のページを繰っていた。青緑色の表紙に大きく書かれた「拝米という病」という文字が、部屋の静けさの中で妙に重く感じられた。元オーストラリア大使である山上信吾氏の言葉は、読み進めるほどに、私がこれまで当たり前だと思っていた日本の立ち位置を揺さぶり始めた。
最初のページから、著者の覚悟が伝わってくる。「おそらくこの本に対して『反米の極み』といったレッテル貼りがなされることだろう」と山上氏は書いている。でも、これは反米の本ではない。むしろ、日本がアメリカと対等な関係を築くために、どう振る舞うべきかを問いかける本だった。
そもそも、なぜこの本を手に取ったのか
きっかけは、山上氏の前著『中国「戦狼外交」と闘う』を読んだことだった。あの本で、私は初めて外務官僚の内側から見た中国外交の実態を知った。山上氏の語る言葉には、現場で闘ってきた人間にしか持ち得ない重みがあった。だから、新刊が出たと知ったとき、迷わず購入を決めた。
書店で手に取ったとき、まず思ったのは「この人は本気だ」ということだった。タイトルからして、保守的な言論空間でタブーとされてきた「拝米批判」を正面から打ち出している。これは、元外交官という立場を持つ人が、自身のキャリアやネットワークを犠牲にしてまで伝えたいことがあるということだ。
私が特に気になったのは、拝米という病というタイトルに込められた、山上氏の問題意識だった。日本はアメリカに安全保障を依存している。それは事実だ。でも、その依存が「盲信」になっているとしたら? その問いが、私の中で静かに広がっていった。
届いた本を開いて
金曜の夜、仕事から帰宅すると、本が届いていた。ハードカバーの装丁は、思ったより重厚感がある。約300ページ。表紙の山上氏の写真は、穏やかな笑顔を浮かべているけれど、その目には強い意志が宿っているように見えた。
まず「はじめに」を読んだ。そこには「高市総理は日本を救う」という一文があった。山上氏は、高市早苗氏に期待を寄せている。スパイ防止法の制定、インテリジェンス機能の強化。これまでの日本外交が欠いてきたものを、高市氏なら実現できるかもしれないという期待だ。
私は興味を持った。なぜなら、この本が単なる過去の批判で終わっていないからだ。未来に向けた具体的な提言が込められている。それが、この本を読み進める大きな動機になった。
第1章から第3章:歴史の再解釈
最初の3つの章は、日本の近現代史を振り返る内容だった。特に印象的だったのは、第2章「大東亜戦争は自存自衛の戦いだった」という章だ。この主張は、賛否が分かれるだろう。でも、山上氏はそれを覚悟の上で書いている。
私自身、戦後教育の中で「日本は侵略戦争を行った」と学んできた。でも、山上氏の語る視点は、その単純な善悪の図式とは異なる。当時の国際情勢、日本が置かれた立場、そして自存自衛という観点から、戦争を再評価する。これは、歴史修正主義ではない。むしろ、多角的に歴史を見つめ直す試みだと感じた。
第3章では、「戦犯意識教育プログラム」の影響について語られる。GHQによる占領政策が、日本人の精神構造にどのような影響を与えたのか。山上氏は、この「戦犯意識」が、戦後日本の外交姿勢を規定してきたと指摘する。アメリカに物申せない。中国に強く出られない。その根底には、戦争責任を過度に内面化した日本人の心理があるのではないか。
土曜の午前中、私はカフェでこの章を読んでいた。周りには家族連れや学生がいて、穏やかな時間が流れている。でも、私の頭の中では、戦後80年の日本の歩みが、まるで映画のフィルムのように流れていた。
第4章:外務省の内側
第4章「外務省アメリカンスクールの実態」は、この本の核心だと思った。山上氏は、外務省内部に存在する「アメリカンスクール」という派閥について語る。アメリカに留学し、アメリカの価値観を内面化した官僚たちが、日本の外交を牛耳っている。彼らは、アメリカの国益を優先し、日本の国益を後回しにする。
これは、衝撃的な告発だった。私たちは、外務省という組織が日本の国益のために働いていると信じている。でも、実際には、その組織の中に、日本よりもアメリカを優先する勢力が存在する。山上氏は、実名こそ挙げていないが、その構造を具体的に描き出す。
日曜の午後、私は再びソファに座り、この章を読み返した。外務省という組織の中で、山上氏はどのように闘ってきたのか。彼の語る言葉には、孤独と葛藤が滲んでいる。組織の中で異端とされながらも、自分の信念を貫くことの難しさ。それは、どの職場にも通じる普遍的なテーマだと感じた。
読みながら感じた違和感と納得
正直に言うと、この本を読んでいて、すべてに賛同できたわけではない。特に、歴史認識に関する部分では、「これは言い過ぎではないか」と思う箇所もあった。大東亜戦争を全面的に肯定することには、やはり慎重であるべきだと思う。
でも、山上氏の主張の核心は、そこにはない。彼が本当に訴えたいのは、「日本が自立した外交を行うべきだ」ということだ。アメリカに盲従するのでもなく、中国に媚びるのでもなく、日本の国益を第一に考える外交。そのためには、歴史認識の見直しも、外務省の改革も、すべてが必要だという論理だ。
私は、この論理に説得力を感じた。なぜなら、山上氏の主張は、単なる理想論ではなく、彼自身の経験に基づいているからだ。彼は、外交の現場で、日本の無力さを何度も目の当たりにしてきた。その悔しさが、この本の行間から滲み出ている。
第5章と「おわりに」:未来への提言
第5章「日本外交、新たなる飛翔へ」では、具体的な提言が示される。スパイ防止法の制定、インテリジェンス機能の強化、外務省の改革。そして、対等な日米関係の構築。これらは、どれも簡単なことではない。でも、実現不可能なことでもない。
「おわりに」では、山上氏が高市早苗氏への期待を改めて語る。「高市総理には是非、日本外交を取り戻してほしい」という言葉には、切実な願いが込められている。私は、この願いに共感した。政治家としての高市氏の手腕については、評価が分かれるだろう。でも、少なくとも、彼女には「日本の国益を第一に考える」という姿勢がある。それは、山上氏が長年求めてきたものだ。
月曜の朝、通勤電車の中で「おわりに」を読み終えた。窓の外には、いつもと変わらない風景が流れている。でも、私の中では、何かが変わり始めていた。この本を読む前と後で、日本の外交に対する見方が、明らかに変わっていた。
完璧ではない、でも
気になる点もあった。例えば、中曽根康弘氏と安倍晋三氏を「媚中」でも「拝米」でもない政治家として高く評価しているが、彼らの外交政策にも限界はあったはずだ。すべてを理想化するのは、やや一面的ではないかと感じた。
また、外務省への批判は厳しいが、では具体的にどう改革すべきかについては、やや抽象的な部分もある。「アメリカンスクール」を解体すると言っても、それは組織の力学を考えると、極めて困難だろう。
でも、これらの限界は、この本の価値を損なわない。なぜなら、山上氏が本当に目指しているのは、完璧な解決策を示すことではなく、問題提起をすることだからだ。「このままでいいのか」という問いを、読者に投げかけること。それこそが、この本の真の目的だと思う。
この本は、誰のためのものか
この本を読むべき人は、明確だ。まず、日本の外交政策に関心を持つ人。特に、保守的な立場から日本の在り方を考えている人には、大きな刺激になるだろう。また、高市早苗氏が取り組もうとしているスパイ防止法やインテリジェンス強化の意義を理解したい人にも、必読だ。
逆に、この本が合わないのは、単純な日米同盟支持の立場を崩したくない人だろう。山上氏の主張は、従来の親米保守とは一線を画している。それを受け入れられない人には、この本は不快に感じられるかもしれない。
私自身は、どちらの立場でもなかった。ただ、日本の外交について、もっと深く知りたいと思っていた。その意味で、この本は、私にとって大きな学びになった。
今、私が思うこと
この本を読み終えて、約2週間が経った。その間、私は何度か、この本の内容を思い返している。特に印象に残っているのは、山上氏の「覚悟」だ。元外交官という立場で、ここまで踏み込んだ批判をするのは、相当な覚悟が必要だったはずだ。
彼は、おそらく多くの批判を受けるだろう。「反米」「歴史修正主義」といったレッテルを貼られるかもしれない。でも、それでも彼は、この本を書いた。なぜなら、日本の未来のために、誰かが声を上げなければならないと考えたからだ。
私は、その姿勢に敬意を持つ。同意できない部分があったとしても、彼の誠実さと覚悟は、疑いようがない。
これからも、考え続ける
今週末も、私はこの本を手に取るだろう。まだ理解しきれていない部分がある。特に、外務省の内部構造や、戦後日本の精神構造については、もっと深く考えたい。
この本は、答えを与える本ではない。問いを投げかける本だ。そして、その問いに向き合うことが、今の日本に必要なことなのかもしれない。
来週も、きっと私は、この青緑色の表紙の本を開いている。そして、日本の外交について、自分なりに考え続けているに違いない。それが、この本を読んだ私にできることだと思う。
商品情報
拝米という病 / 山上信吾 著 / ハードカバー、約300ページ / ¥1,980(税込)
本記事は、個人的な読書体験に基づくものであり、著者や出版社とは一切関係ありません。
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