📝 この記事のポイント
- 年末進行に揉まれ、魂が抜けかけていたあの日、私は満員電車に揺られていた。
- スマホのタイムラインをただスクロールするだけの惰性の日々。
- そんな中で飛び込んできた、築浅なのに信じられないほど荒れ果てた物件の写真。
年末進行に揉まれ、魂が抜けかけていたあの日、私は満員電車に揺られていた。スマホのタイムラインをただスクロールするだけの惰性の日々。そんな中で飛び込んできた、築浅なのに信じられないほど荒れ果てた物件の写真。リフォーム業者の煽り文句は、正直、苦笑いしか出なかった。「ホラー映画かよ」なんて呟きながら眺めていたけれど、その時、ふと大学時代の友人ミサキの言葉を思い出したんだ。「人が住んだ場所には、必ずノイズが残る」と。物理的な汚れだけじゃなく、感情や記憶が作り出す、目に見えないノイズ。あの時は「またまた~」くらいにしか思わなかったんだけど、まさか、それが私の日常を大きく変えるきっかけになるとは、夢にも思わなかったな。
最初の印象
正直、ミサキが言う「ノイズ」なんて、最初は眉唾ものだと思っていた。「孤独死があった部屋は空気が重い」とか「独特のノイズが聞こえる」とか、まるで霊感少女みたいな話だなって。でも、SNSで見たあの瑕疵物件の写真が、妙に引っかかったんだ。画面越しでも伝わってくる強烈な生活臭や、壁のヤニ染み、水回りのカビ。それらは物理的な痕跡だけど、ミサキの言う「ノイズ」と繋がるような気がした。汚れた部屋の背景にある、誰かの生活、誰かの物語、そして、そこから発せられる微かな叫びのようなもの。最初は半信半疑だったけれど、「もし、本当にそんなノイズがあるとしたら?」と、好奇心が芽生えたのが、この新しい感覚との出会いの始まりだったね。
実際に使ってみて
「ノイズ」を意識的に拾い上げる、なんて言うと大げさだけど、要は「意識を向けて耳を澄ませてみる」ってことかな。電車の中、カフェ、SNSのタイムライン。いつもなら無関心に流していた情報や風景に、ちょっとだけアンテナを立ててみたんだ。例えば、電車の騒音。ただうるさいと思っていた音の奥に、幼い赤ちゃんのたどたどしい泣き声が混じっていることに気づいた。カフェのBGMや談笑の喧騒の中にも、楽しそうに笑い合うカップルの、どこか寂しげな女性の目の潤みや、パソコンに向かう男性の、ふと見せる疲れた眉間のシワが見えた。今までは「高解像度」の情報として、パッと目につくものばかりを追っていたけど、少し視点をずらして「ノイズ」に意識を向けると、まるで別世界が見えてくるような感覚だったよ。
良かったところ
- まず、周りの世界の解像度がグッと上がったこと。今まで見過ごしていた、人々の感情や社会の微妙な揺らぎ、見えない部分に気づけるようになったのは大きな収穫だった。まるで、世界が色鮮やかになったような感覚だね。
- 次に、表面的な情報に惑わされにくくなったこと。SNSの情報なんて特にそうだけど、一見キラキラして見える投稿の裏に潜む「ノイズ」を感じ取ることで、物事をより多角的に捉えられるようになった気がする。
- そして何より、自分自身の心にも向き合えるようになったこと。他者のノイズに耳を傾ける練習をしていたら、自然と自分の中に響く「漠然とした不安」や「満たされない渇望」といった、心のノイズにも気づけるようになったんだ。それは決して心地良いものじゃないけど、自分を知る上で大切な一歩だと感じてる。
気になったところ
- 最初はとにかく疲れることかな。意識的にノイズを拾い上げようとすると、脳がフル回転する感じで、結構な集中力が必要になる。特に人混みの中だと、情報が多すぎてオーバーロードしそうになる時もあったよ。
- あと、時として目を背けたくなるようなノイズに直面することもある。他者の痛みや、社会の理不尽さを、より鮮明に感じてしまうからね。知らなくて良かったことまで知ってしまう、みたいなジレンマに陥ることもあった。でも、それが現実だって受け止めることも、大切なことなんだろうね。
どんな人に向いてる?
この「ノイズを拾う」という視点は、情報過多の現代社会で「なんだかモヤモヤする」「本当に大切なものを見失っている気がする」と感じている人には、すごく向いていると思う。あとは、もっと深く人間や社会を理解したい人、自分自身の内面と向き合うきっかけを探している人にもおすすめしたいな。きっと、今まで見えてこなかった世界が、少しずつ、でも確実に広がっていくはずだよ。
使い続けて数ヶ月の今
あれから数ヶ月が経った今でも、私はノイズを拾い続けている。最初の頃のような意識的な努力は少なくなったけど、自然とアンテナが立つようになってきた感覚かな。もちろん、全部のノイズを拾い上げられるわけじゃないし、疲れてしまう日もある。でも、以前より確実に、世界との繋がりを深く感じられるようになった。ミサキにもメッセージを送って、今度改めてノイズの話を聞くことになったんだ。彼女は「ヤバい物件の話」もしてくれるらしいから、今からちょっと楽しみだよ。
この世界は、表面的な美しさや利便性だけで成り立っているわけじゃない。その奥には、常に微かなノイズが響いている。それは、人々の葛藤や喜び、社会の歪み、そして私たち自身の心の叫びかもしれない。高解像度の情報ばかりを追いかけるのではなく、時には耳を澄まし、心で感じる「ノイズ」に意識を向けてみること。それはきっと、私たち自身の生き方を、もっと豊かにしてくれる新しい視点になるはずだ。どんなに汚れた部屋でも、どんなに歪んだ社会でも、私たちはそこで生きていく。だからこそ、そのノイズに耳を傾け、理解しようと努めることが、より良い未来へと繋がる一歩になるんじゃないかな。
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