📝 この記事のポイント
- 静かな日曜の朝に響いたのは、洗濯機の終了を告げる軽快なメロディーだった。
- ベランダに出ると、九月の半ばとは思えないほど涼しい風が、まだ寝ぼけた頬をそっと撫でていく。
- 今年の夏は本当に長かったから、この肌で感じる季節の変わり目が、なんとも言えず心地いい。
朝の七時半。静かな日曜の朝に響いたのは、洗濯機の終了を告げる軽快なメロディーだった。ベランダに出ると、九月の半ばとは思えないほど涼しい風が、まだ寝ぼけた頬をそっと撫でていく。今年の夏は本当に長かったから、この肌で感じる季節の変わり目が、なんとも言えず心地いい。
最近は、ほとんどの人がドラム式洗濯乾燥機を使っているよね。私の実家にも最新式のがあるし、母はいつも「これがあれば天気を気にしなくていいのよ」って自慢げに話してる。確かに便利だし、私もその恩恵に預かったことは何度もある。でも、それでも私は、今日みたいに天気のいい日には、わざわざ外に洗濯物を干すことを選んでしまうんだ。別に何か特別な理由があるわけじゃない。でも、この「あえて選ぶ」という行為の中に、何か大切なものがあるような気がしてならない。今日は、そんな私が“外干し”という、古くて新しい習慣をレビューする感覚で、私がこの日常の中で見つけたささやかな価値について話してみようと思うよ。
最初の印象
正直に言うと、最初はちょっとだけ面倒だなって思ったんだ。乾燥機があれば、ボタン一つで洗いから乾燥まで済むのに、わざわざ濡れた洗濯物を抱えてベランダに出て、一枚一枚ハンガーにかけて干していく。時間もかかるし、天気も気にしなきゃいけない。花粉の時期やPM2.5が多い日は躊躇するし、急な雨に降られたら台無しだ。それでも、この日の朝、ひんやりとした秋の風がベランダに吹き込んできた時、「あ、これだ」って直感的に思ったんだよね。なんていうんだろう、この自然の力を借りる感覚っていうのかな。文明の利器が提供してくれる効率性とは違う、何かアナログな期待感がそこにはあったんだ。
実際に使ってみて
洗濯物を一枚一枚、丁寧に広げて物干し竿にかけていく。シャツやタオル、シーツなんかは、風を孕んでふわりと膨らむ。隣のベランダからも、カチャカチャとハンガーがぶつかる音が聞こえてきて、向こうからは子どもの声もする。「ママー、このシャツどこー?」なんてね。マンションの薄い壁一枚隔てた向こうに、自分と同じように日々を営む人がいるんだなって、ゆるやかに他者の存在を感じる瞬間が心地よかったりする。
それに、風に揺れる白いTシャツを見つめていると、去年の夏、友達と海に行った時のこととか、深夜のコンビニに駆け込んだ時のこととか、いろんな思い出が蘇ってくるんだ。千円くらいのTシャツだけど、値段以上の価値が、このよれた首元には詰まっている。
そして、手が濡れてるからスマホを触れない時間も、意外と貴重だなって気づいた。ポケットでLINEの通知が震えても、両手がふさがっているし、この静かな朝の時間を壊したくないから見ない。この、たった15分くらいの「何もしない時間」が、頭の中をクリアにしてくれる。デジタルデトックスなんて大げさな言葉じゃなくて、ただ、ぼーっとする時間って、現代の私たちには必要なんだな、って改めて感じたんだ。
良かったところ
- 五感で季節を感じられる: 頬を撫でる風の涼しさ、太陽が洗濯物に移る匂い、高い秋の空の色。外干しは、まさに全身で季節の移ろいを体感できる、一番身近な方法だと思う。
- 思考が整理される静かな時間: 洗濯物を干すという単調な作業の中では、不思議と頭の中がクリアになっていくんだ。日頃のモヤモヤや、些細な悩み事が、風に揺れる洗濯物と一緒に飛んでいくような感覚。デジタルな情報から遮断されることで、自分と向き合う時間が生まれる。
- 日常の中に小さな喜びを見つけられる: よれたTシャツに思い出を見つけたり、風を孕んだシーツに子どもの頃の記憶を重ねたり。ただの家事が、五感や記憶を刺激する豊かな時間になるんだ。隣人とのつながりや、物の価値についても深く考えるきっかけをくれる。
気になったところ
- 天候に左右されること: これがやっぱり一番のネックだよね。急な雨はもちろん、花粉やPM2.5、黄砂が飛ぶ日はためらってしまう。天気予報のチェックは欠かせないし、急な天気の変化に一喜一憂しちゃうこともある。
- 時間と手間がかかる: 乾燥機に比べると、どうしても干す作業に時間がかかるのは避けられない。それに、洗濯バサミが一個足りないとか、靴下が一足だけハンガーに掛ける羽目になるとか、そういう小さなイライラもあったりする。でも、これもまた日常の一部かなって最近は思ってるけどね。
どんな人に向いてる?
この「外干し体験」は、こんな人にぴったりだと思うんだ。
- 日常の中に、ささやかながらも確かな豊かさや感動を見つけたい人。
- デジタルな情報過多な生活に疲れて、少しだけアナログな時間を取り入れたい人。
- 季節の移ろいを五感で感じたい、自然とのつながりを大切にしたい人。
- 効率性だけを求めるのではなく、家事そのものを瞑想的な時間として楽しみたい人。
使い続けて数週間の今
九月のあの日から数週間が経った今も、私は晴れた日には欠かさず外に洗濯物を干しているよ。正直、たまに面倒だなって思う日もあるけれど、それでも、乾いた洗濯物から漂うあの「太陽の匂い」や、風にはためくシーツが教えてくれる時間の流れが、私にとってはかけがえのないものになっているんだ。
これは単なる家事じゃなくて、私の生活の一部、そして私自身と向き合うための大切な時間になっている。
特別じゃない、ごく普通の日常。でも、この「特別じゃなさ」こそが、実は一番特別で、私たちを満たしてくれるものなんだなって。ベランダから部屋に戻って、朝のコーヒーを淹れる。九月の日曜日は、まだ始まったばかりだ。
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九月の日曜日、洗濯物を干す私が気づいた日常の価値
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