📝 この記事のポイント
- 「あと2分でハロウィンだぞ!」誰かが叫んだ、あの日の声がまだ耳に残ってる。
- 人口3000人のこの町で、真夜中に軽トラの荷台で大騒ぎする大人たち。
- 都会の喧騒とはかけ離れた、あまりにも牧歌的で、そして少しだけ切ないハロウィンの始まり方。
「あと2分でハロウィンだぞ!」
誰かが叫んだ、あの日の声がまだ耳に残ってる。人口3000人のこの町で、真夜中に軽トラの荷台で大騒ぎする大人たち。都会の喧騒とはかけ離れた、あまりにも牧歌的で、そして少しだけ切ないハロウィンの始まり方。あの瞬間、僕はただ、何かを待っていたんだと思う。漠然とした未来とか、どこかにあるはずの刺激とか。でも、毎年変わらない光景の中で、自分だけが置き去りにされているような、そんな気がしてた。
そんな僕が、最近手に入れたものがある。手のひらに収まる小さなデバイス。腕に巻くタイプの、いわゆるスマートウォッチってやつだ。都会で暮らす友人たちが、当たり前のように使っているのを見て、正直「この町で、そんなもの使って何になるんだ?」って思ってた。でも、あの0時0分の、何も起こらなかった静けさの中で、僕はふと気づいたんだ。もしかしたら、この小さな四角い相棒が、僕の日常に、ほんの少しだけ特別な時間をもたらしてくれるんじゃないかって。そんな、ちっぽけな願いを託して、僕はそのデバイスを使い始めたんだ。
最初の印象
箱を開けた時の、あの独特の匂いを今でも覚えてる。プラスチックと金属が混じり合ったような、ちょっとだけ未来を感じさせる香り。思っていたよりもずっと軽い本体と、しっとりとした質感のバンド。テレビCMで見た都会的なイメージとは裏腹に、意外と素朴な印象だった。正直、手に取るまでは「なんか派手そうだな」とか「自分には似合わないかもな」なんて思ってたんだけど、実際に腕に巻いてみると、ごく自然に馴染んだんだ。まるで、昔からそこにあったかのように。
電源を入れると、小さな画面にロゴが浮かび上がって、それから時刻が表示される。初期設定は、思っていたよりずっと簡単だった。スマートフォンのアプリと連携させて、いくつかタップするだけ。複雑な説明書を読む必要もなく、あっという間に僕の日常に仲間入りした。この、あっけなさというか、するっと溶け込む感じが、最初の驚きだったかな。なんだか、ずっと傍にいてくれる友達みたいに、静かに僕を待ってくれてる。そんな印象を受けたんだ。
実際に使ってみて
使い始めてすぐに感じたのは、時間の捉え方が少し変わったってことだ。これまでは、ぼんやりと過ぎていく一日だったけど、腕のデバイスは常に正確な時刻を教えてくれる。スマートフォンのようにポケットから出す手間もいらないから、ふとした瞬間に時間を確認する回数が増えたんだ。特に助かるのは、畑仕事中。土だらけの手でスマホを触るのに抵抗があったけど、これなら汚れる心配も少ない。
あとは、通知機能だね。僕の仕事柄、急な連絡が入ることもあるんだけど、これまではスマホをマナーモードにしてると気づかないこともしばしば。でも、腕の振動で教えてくれるから、大切な連絡を見逃さなくなった。もちろん、どうでもいい通知も来るんだけど、それも一瞥するだけで済むから、スマホをいちいち開いてSNSをだらだら見てしまう、なんてことも減った気がするんだ。まさに、情報との付き合い方を、よりスマートにしてくれる。そんな実感があったよ。
良かったところ
いくつかあるんだけど、まず一つ目は、自分の体のことが少しだけわかるようになったことかな。このデバイス、歩数だけじゃなくて、心拍数とか睡眠時間まで記録してくれるんだ。今まであんまり気にしたことなかったけど、一日どれくらい歩いてるかとか、ちゃんと眠れてるかとか、数字で見えるのは結構面白い。健康診断の数値を見るのとはまた違って、毎日の小さな変化がわかるのは新鮮だった。
次に、ちょっとした達成感を味わえること。たとえば、目標歩数を設定して、それをクリアすると腕が振動して教えてくれるんだ。そんなささやかなことだけど、何もない一日の中で「よし、やった!」って思える瞬間があるのは、結構気持ちがいい。この町にいると、大きな目標を立てて達成する機会ってあんまりないから、こういう小さな喜びは、すごく貴重なんだ。
それから、シンプルに「今」を意識させてくれること。僕らは過去のこととか、都会への憧れとか、そういうものばかり話してたんだけど、このデバイスは常に「今」の時刻や「今」の活動を僕に伝えてくる。あの日の0時0分、何も起こらなかった静寂の中で感じた、時間の流れだけが確かな現実だってことを、改めて教えてくれた気がするんだ。
気になったところ
もちろん、いいことばかりじゃないよ。まず一番は、充電のことだね。数日に一度は充電してあげないといけないから、正直ちょっと面倒だなと感じることもある。特に旅行とか、いつものルーティンが崩れると「あ、充電しなきゃ」って、ふと我に返る。まあ、スマートフォンも同じなんだけど、腕にずっと着けてるものだから、充電切れになると「何かを忘れてる」みたいな、ちょっとした不安を感じちゃうんだ。
もう一つは、周りで誰も使ってないってことかな。僕の友達はみんな、昔ながらの腕時計か、あるいは時間なんてスマホで十分ってタイプだから、このデバイスについて話す機会がないんだ。都会だったら「これの新機能がさ」とか「どこのメーカーのがいい」とか、色んな話題が生まれるんだろうけど、この町では僕一人。まあ、それはそれでいいんだけど、ちょっとだけ寂しさを感じることもあるかな。たまには誰かと、この小さな四角い相棒について語り合いたいなって思うんだ。
どんな人に向いてる?
僕みたいな、ちょっと田舎で暮らしてて、日々の変化が少ないなって感じてる人には、結構おすすめできるんじゃないかな。都会の喧騒の中で忙しくしてる人には、スケジュール管理とか通知の選別とか、もっと実用的な価値があるんだろうけど、僕らの生活においては「小さな刺激」や「自分を見つめ直すきっかけ」になると思う。
あとは、健康に興味があるけど、あんまりストイックにはなれないなって人にもいいかもしれないね。僕もそうなんだけど、日々の記録が勝手に取られてるから、自然と自分の活動量や睡眠の質が意識できる。特に意識しなくても、勝手にデータが蓄積されていくから、いつの間にか「あれ、最近ちょっと運動不足かな?」って、前向きに考えられるようになったよ。
あとは、もちろん、常に正確な時間を把握したい人や、スマートフォンをポケットから出すのが面倒だって人にもね。どんな場所で使うにしても、日常に静かに寄り添ってくれる、そんな存在だから。
使い続けて数週間の今
このデバイスを使い始めて数週間が経ったけど、もうすっかり僕の腕の一部みたいになってる。最初は「何かの役に立つかな」くらいの軽い気持ちだったけど、今ではすっかり手放せない相棒だ。あの日の0時0分、何も起こらなかった瞬間に感じた漠然とした寂しさや、時間の無常感みたいなものは、今も形を変えて残っているかもしれない。でも、この小さな相棒が、僕の日常に小さな「意味」を与えてくれたのは間違いない。
例えば、深夜に星空を眺めていて、ふと腕のデバイスを見る。正確な時刻が表示されていて、心拍数まで教えてくれる。その数字が、僕が確かに「今、ここにいる」っていう、静かな肯定に感じられるんだ。
来年も、きっと僕たちはイオンの駐車場で、いつものようにハロウィンのカウントダウンをするだろう。そして、きっと田中は「おい、ゴミ拾えよ」って言われるまでクラッカーの紙テープを放置するだろう。そんな変わらない日常の中で、僕の腕のこの小さなデバイスだけが、静かに僕の時間を刻み続けている。
このスマートウォッチは、僕にとって単なる道具じゃない。それは、僕自身の時間の流れを教えてくれる、静かな教師のような存在だ。都会のきらびやかなハロウィンのように、劇的な変化をもたらすわけじゃない。でも、このデバイスは、僕自身のちっぽけな日常に、ほんの少しだけ「未来」を連れてきてくれた。そして、あの日の0時0分に感じた切なさに、そっと寄り添ってくれる。これからも、この小さな相棒と一緒に、僕はこの町で時間を刻んでいくんだろう。そしていつか、このデバイスに記録された僕の活動量や睡眠データが、僕自身のささやかな人生の物語を語ってくれる日が来るのかもしれない。
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