📝 この記事のポイント
- 都心のオフィス街に、重たい曇り空がのしかかっていた、とある週末。
- プログラムのバグと格闘しすぎて、僕の頭の中も同じくらいどんよりしていた頃の話だ。
- カフェラテをすすりながら、僕はぼんやりと窓の外を眺めていた。
都心のオフィス街に、重たい曇り空がのしかかっていた、とある週末。プログラムのバグと格闘しすぎて、僕の頭の中も同じくらいどんよりしていた頃の話だ。カフェラテをすすりながら、僕はぼんやりと窓の外を眺めていた。SNSのタイムラインは今日も情報が洪水のように流れ、AIだのメタバースだの、新しい技術の波が押し寄せてくる。ITエンジニアとして、常にアンテナを張り、アップデートし続けなければ時代遅れになってしまうという焦りが、いつも胸のどこかにあった。まるで、無限に続くマラソンを走らされているような気分だったんだ。
でも、心のどこかで「本当にこれでいいのかな?」って疑問も抱いていた。常に新しい情報を追いかけ、数字に追われる日々。そんな毎日に、正直なところ少し疲れてしまっていたんだ。まるで、心をカラカラに乾かされたような感覚。そんな僕の心を潤してくれる、まさしく『雪解けのオレンジ』とでも呼ぶべき存在が、実は身近にあったんだよね。
最初の印象
僕がその「居場所」と出会ったのは、小学生の頃だった。まだインターネットが今ほど当たり前じゃなかった時代に、僕は「ニコニコ動画」という動画サイトに夢中になった。当時の動画は、今のような高画質でもなければ、凝った編集がされているわけでもなかった。むしろ、手作り感満載で、ちょっと荒削りなところが魅力だったんだ。
他の動画サイトと決定的に違ったのは、リアルタイムで動画の上にコメントが流れること。まるで、みんなで同じ場所でテレビを見ているような感覚で、その一体感がたまらなく面白かった。当時はまだ、ただ視聴者として楽しんでいただけだけど、いつか自分もこんな風に、誰かの「好き」を共有できる動画を作ってみたいって、漠然と思っていたのを覚えてる。それが、僕のクリエイターとしての最初の小さな種だったんだ。
実際に使ってみて
大学に入ってからは、僕も実際にゲーム実況動画を投稿するようになった。YouTubeにも上げていたんだけど、なぜかニコニコ動画の方が僕にはしっくりきたんだ。コメントの距離感が近いというか、視聴者との間に不思議な絆が生まれるような気がしてね。
一度、YouTubeで著作権に引っかかって削除されてしまった動画があったんだけど、それを試しにニコニコ動画に投稿してみたことがあるんだ。YouTubeでは収益化なんて夢のまた夢だったその動画から、ほんの少しだけどクリエイター奨励金が振り込まれた時は本当に驚いたよ。その金額がどうこうっていうよりも、「あぁ、ここなら僕の作った動画が、ちゃんと認められる場所があるんだ」って、すごく感動したんだ。
もちろん、社会人になってからは仕事が忙しくて、なかなか動画投稿はできていなかった。でも、そんな僕にも、細々とだけど奨励金が振り込まれ続けていたんだ。その微々たる金額が、僕にとってはまるで「君が作ったもの、ちゃんと見てるよ。忘れてないよ」って語りかけられているような気がして、それがすごく心強かったんだよね。
良かったところ
僕がニコニコ動画に改めて感じた「良いな」って思うところはいくつかあるんだ。
- 温かいコミュニケーション: コメント機能って、時に荒れることもあるけど、ニコニコ動画は動画の作り手と視聴者の距離がすごく近い。お互いの「好き」を尊重し合って、温かい言葉を交わす文化が根付いているんだ。まるで、古くからの友達と盛り上がっているような居心地の良さがある。
- クリエイターへの誠実なサポート: 収益化の仕組みもそうだけど、最近、サービス停止期間中にもクリエイター奨励金を配布したってニュースを聞いて、改めて「誠意のある場所だな」って思ったんだ。数字や利益だけじゃなくて、クリエイターの活動を本当に応援してくれているんだなって感じられるんだよね。
- 「好き」を自由に表現できる場所: 世の中の動画サイトは、再生回数や「バズる」ことばかりが求められがちだけど、ニコニコ動画はそうじゃない。自分が本当に作りたいものを、自分のペースで発表できる自由な空気がある。そこには、純粋な「好き」が息づいているんだ。
気になったところ
もちろん、手放しで全てが良いってわけじゃないんだけどね。
- UI/UXの古さ: 最新の動画サイトと比べると、どうしてもインターフェースやユーザー体験は少し古く感じる部分もあるかもしれない。最初は戸惑う人もいるかもね。
- 最新トレンドとの距離: いわゆる「流行」を追いかけるには、ちょっと向いていないかなって思うこともある。でも、それが逆に、時代の流れに左右されずに自分たちの文化を育んできた良さでもあるんだ。
どんな人に向いてる?
僕が思うに、こんな人にはニコニコ動画がピッタリなんじゃないかな。
- 数字や再生回数に疲れてしまったクリエイターさん。
- 自分の「好き」を純粋に追求したい人。
- 視聴者と温かいコミュニケーションをとりたい人。
- 懐かしいものや、手作り感のあるコンテンツが好きな人。
- 誰かの評価じゃなくて、自分のペースで創作を楽しみたい人。
使い続けて数週間の今
カフェでバグと格闘していたあの日から数週間。ケンタと偶然会って話したこともあって、僕は久しぶりにニコニコ動画にログインしてみたんだ。昔、僕が投稿したゲーム実況動画がまだ残っていて、コメント欄には数年前の温かい言葉がいくつも残っていた。それを見た時、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じたよ。
ケンタも大手動画サイトの案件で、数字に追われて「本当に作りたいものが作れなくなったら本末転倒じゃないか」って言っていた。まさにその通りだなって、改めて思ったんだ。僕が動画を投稿し始めた原点も、誰かに認められたいとか、お金を稼ぎたいとか、そんなことじゃなかった。ただ、自分の好きなゲームを誰かと共有したい、ただ自分の感じたことを誰かに伝えたい、それだけだったんだ。
だから、僕もまた、動画を投稿してみようと思う。最新のゲームじゃなくて、昔ながらのレトロゲームの実況動画をね。まるで、冷たい土の中から顔を出した新しい命のように、この『雪解けのオレンジ』は、僕にまた新しい希望と、温かい情熱を与えてくれたんだ。
僕にとってニコニコ動画は、現代のデジタル社会の喧騒の中で、立ち止まって大切なものを見つめ直すことができる「居場所」なんだ。数字や効率ばかりが求められる世界で、純粋な「好き」や人との温かい繋がりを大切にできる場所が、ここには確かに息づいている。もし君も、日々の情報過多やプレッシャーに少し疲れてしまったなら、一度、僕にとっての『雪解けのオレンジ』、つまりニコニコ動画のような「懐かしい場所」を訪れてみるのはどうかな。きっと、忘れかけていた大切な何かを思い出せるはずだよ。そして、そこから新しい挑戦への小さな一歩が始まるのかもしれないね。
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